STEP 1 · 学習

AIF-C01 学習AI プラクティショナー

公式の出題分野ごとに要点を読み、各分野の最後にある「この分野を練習する」でその分野だけの問題を解きます。分野の比率が大きいほど本試験での出題が多くなります。

01

AI と ML の基礎

Fundamentals of AI and ML

20%

学習目標

  • AI・機械学習・ディープラーニング・生成 AI・エージェンティック AI の関係と、学習(トレーニング)と推論の違いを説明できる
  • 教師あり・教師なし・強化学習と、回帰・分類・クラスタリングを業務の課題に当てはめられる
  • AI が向かない場面(説明できる決まった答えが必要、費用対効果が合わないなど)を判断できる
  • Comprehend・Transcribe・Translate・Lex・Polly・Rekognition・Textract などのマネージドな AI サービスと、SageMaker AI による ML のライフサイクル(データ準備→学習→評価→デプロイ→監視)を説明できる

要点

  • AI ⊃ 機械学習(データからパターンを学ぶ)⊃ ディープラーニング(多層のニューラルネットワーク)。生成 AI は学習したパターンから新しい文章・画像などを作る。エージェンティック AI は目標に向けて計画し、ツールを使いながら自律的に作業を進める。
  • 学習(トレーニング)はデータからモデルを作ること、推論は作ったモデルで新しいデータの予測・生成をすること。推論にはリアルタイム・バッチ・非同期・サーバーレスの方式がある。
  • 教師あり学習は正解ラベル付きのデータで学ぶ(回帰=数値を予測、分類=カテゴリを予測)。教師なし学習はラベルなしで構造を見つける(クラスタリング、異常検知)。強化学習は報酬を最大にする行動を試行錯誤で学ぶ。
  • データの種類:ラベルあり/なし、表形式・時系列・画像・テキスト、構造化/非構造化。どの種類かで使う手法とサービスが変わる。
  • AI が向かない場面:必ず同じ決まった答えが必要(規則で計算できる)、説明責任上ルールベースが求められる、データが足りない、費用対効果が合わない。
  • マネージドな AI サービス:テキストの分析は Comprehend、音声→テキストは Transcribe、翻訳は Translate、チャットボットは Lex、テキスト→音声は Polly、画像・動画の分析は Rekognition、帳票の読み取りは Textract、レコメンドは Personalize。
  • ML のライフサイクル:課題の定義→データの収集と準備→特徴量エンジニアリング→学習とチューニング→評価→デプロイ→監視(データやモデルのドリフト)。MLOps は実験の管理・再現性・自動化で、これを継続的に回す仕組み。
  • 評価指標:分類は正解率(accuracy)・適合率(precision)・再現率(recall)・F1 スコア、回帰は RMSE など。ビジネスの指標(1 ユーザーあたりの費用、開発費、顧客の反応、ROI)も合わせて見る。

業務での使いどころ

  • 営業過去の商談データ(ラベル付き)から受注の可能性を分類するモデルを作り、優先して訪問する見込み客を決める。
  • 総務問い合わせ窓口の通話を Transcribe で文字起こしし、Comprehend で内容を分類・感情分析して、よくある問い合わせを把握する。
  • 経理請求書の PDF から Textract で金額・日付・取引先を読み取り、経費精算システムに自動で登録する。ルールで判定できる承認は AI ではなく業務ルールで処理する。

公式のタスクステートメント(英語)

  • 1.1 AI の基本的な概念と用語を説明する。
  • 1.2 AI の実用的なユースケースを特定する。
  • 1.3 AI/ML 開発ライフサイクルについて説明する。

公式の学習リソース

02

GenAI の基礎

Fundamentals of Generative AI

24%

学習目標

  • トークン・チャンキング・埋め込み・ベクトル・Transformer・LLM・基盤モデル(FM)・マルチモーダル・拡散モデルを説明できる
  • FM のライフサイクル、トークン単位の料金、コンテキストエンジニアリング、エージェント(マルチエージェント・MCP)の考え方を説明できる
  • 生成 AI の利点(適応性・対話・生成)と欠点(ハルシネーション・解釈のしにくさ・非決定性)を業務の判断に生かせる
  • Bedrock・SageMaker AI・JumpStart・Amazon Q・Amazon Quick・Kiro・Strands Agents などの AWS のサービスの使いどころと、費用のトレードオフ(オンデマンド・プロビジョンドスループット・バッチ)を判断できる

要点

  • トークンはモデルが扱う文字の単位で、料金と入出力の上限はトークン数で決まる。チャンキングは長い文書を検索や処理に適した大きさに分けること。
  • 埋め込み(embedding)は文章や画像の意味を数値のベクトルにしたもの。意味が近いものはベクトルも近くなり、意味の検索(セマンティック検索)や RAG に使う。
  • LLM は Transformer を使った大規模な言語モデル。基盤モデル(FM)は大量のデータで事前学習され、さまざまな用途に使える汎用的なモデル。画像の生成には拡散モデルがよく使われる。マルチモーダルは文章・画像など複数の種類のデータを扱える。
  • FM のライフサイクル:データの選定→モデルの選定→事前学習→ファインチューニング→評価→デプロイ→フィードバック。多くの企業は事前学習をせず、既存の FM を選んで使う。
  • コンテキストエンジニアリング:モデルに渡す情報(指示・参考文書・会話の履歴・ツールの結果)を設計して回答の質を上げる。エージェントはツールを呼び出して作業を進め、MCP(Model Context Protocol)はエージェントと外部のツール・データをつなぐ共通の仕組み。
  • 欠点:ハルシネーション(もっともらしい誤り)、同じ入力でも出力が変わる(非決定性)、理由の説明が難しい。正確さが必須の計算や判定はルールや既存のシステムに任せ、根拠の確認(RAG・人のレビュー)を組み込む。
  • AWS のサービス:Bedrock は複数の FM を API で使えるフルマネージドサービス(ナレッジベース・エージェント・ガードレール)。SageMaker AI と JumpStart はモデルの学習・カスタマイズ・ホスティング。Amazon Q Business は社内データに基づく AI アシスタント、Q Developer と Kiro は開発の支援、Strands Agents はエージェントを作るオープンソースの SDK。
  • 費用:オンデマンドは使ったトークン数だけ、プロビジョンドスループットは一定の処理能力を確保(安定した大量の利用や、カスタムモデルの利用で必要)、バッチ推論は即時でなくてよい大量の処理を割安に。モデルの大きさ・応答の速さ・リージョンでの提供状況も比べる。

業務での使いどころ

  • 営業商談のメモから提案書の下書きを Bedrock で生成し、担当者が数値と表現を確認して仕上げる。顧客名などの機密情報は社内のルールに沿って扱う。
  • 総務社内規程を Amazon Q Business に接続し、社員が「出張の日当はいくら?」と質問すると、規程の該当箇所を示して回答させる。
  • 経理月次の経費の異常の説明文を生成 AI で下書きするが、金額の計算と承認の判定は会計システムのルールで行い、生成 AI には任せない。

公式のタスクステートメント(英語)

  • 2.1 生成 AI (GenAI) の基本概念を説明する。
  • 2.2 ビジネス上の問題の解決に GenAI を使用する場合の可能性と制限を理解する。
  • 2.3 GenAI アプリケーションを構築するための AWS インフラストラクチャとテクノロジーについて説明する。

公式の学習リソース

03

基盤モデルの応用

Applications of Foundation Models

28%

学習目標

  • 費用・モダリティ・応答速度・多言語・モデルの大きさ・入出力の長さなどから FM を選び、温度などの推論パラメータの効果を説明できる
  • RAG(Bedrock ナレッジベース)とベクトルデータベース(OpenSearch・Aurora・Neptune・RDS for PostgreSQL・S3 Vectors など)、エージェントの使いどころを説明できる
  • ゼロショット・フューショット・思考の連鎖・プロンプトテンプレート・ネガティブプロンプトを使い分け、プロンプトインジェクションなどのリスクを説明できる
  • 事前学習・ファインチューニング・継続的な事前学習・蒸留・RAG・インコンテキスト学習の費用の違いと、ROUGE・BLEU・BERTScore・LLM-as-a-judge・人による評価の使い分けを説明できる

要点

  • FM の選び方:入出力の種類(テキスト・画像)、応答の速さ、日本語への対応、入力できる長さ(コンテキストウィンドウ)、カスタマイズの可否、費用。大きいモデルほど高性能とは限らず、用途に合う小さいモデルが安く速いこともある。
  • 推論パラメータ:温度(temperature)を下げると出力が安定し、上げると多様で創造的になる。Top P も多様性を調整する。最大トークン数で出力の長さの上限を決める。
  • RAG は質問に関連する社内文書を検索してプロンプトに加え、その内容に基づいて回答させる。モデルを再学習せずに最新の情報や社内の情報を使え、回答の根拠も示せる。Bedrock のナレッジベースで、取り込み・チャンキング・埋め込み・検索をまとめて管理できる。
  • カスタマイズの費用は、プロンプトの工夫(インコンテキスト学習)< RAG < ファインチューニング < 継続的な事前学習 < 一からの事前学習、の順に大きくなるのが一般的。蒸留は大きなモデルの知識を小さなモデルに移して、推論の費用と遅延を下げる。
  • プロンプトの技法:ゼロショット(例なし)、ワンショット・フューショット(例を示す)、思考の連鎖(段階的に考えさせる)、テンプレート化。役割・文脈・指示・出力の形式を明確にし、避けてほしいことはネガティブプロンプトで示す。Bedrock のプロンプト管理でバージョンを管理できる。
  • プロンプトのリスク:プロンプトインジェクション・乗っ取り(ハイジャック)、ジェイルブレイク、機密情報の漏えい、データの汚染(ポイズニング)。ガードレールや入力の検証で対策する。
  • ファインチューニングは、ラベル付きのデータ(指示と回答の例)でモデルを特定のタスクや分野に合わせる。継続的な事前学習はラベルのない分野の文書で知識を足す。データの品質・量・代表性・ガバナンスが結果を左右する。
  • 評価:要約は ROUGE、翻訳は BLEU、意味の近さは BERTScore、LLM に採点させる LLM-as-a-judge、人による評価。Bedrock のモデル評価で自動評価と人による評価を行える。業務の目標(作業の完了率・満足度・1 回のやり取りの費用)でも評価する。

業務での使いどころ

  • 総務就業規則や手順書を Bedrock のナレッジベースに取り込み、社員の質問に規程の該当箇所を引用して回答する社内ヘルプデスクを作る。
  • 営業提案書の要約のプロンプトをテンプレート化し、出力の形式(課題・提案・効果を各 3 行)を指定。温度を低くして毎回同じ品質にそろえる。
  • 経理仕訳の説明文の生成で、まずはプロンプトの工夫と RAG を試し、それでも社内の用語に合わない場合にだけファインチューニングを検討する。

公式のタスクステートメント(英語)

  • 3.1 基盤モデル (FM) を使用するアプリケーションの設計上の考慮事項を説明する。
  • 3.2 効果的なプロンプトエンジニアリング手法を選択する。
  • 3.3 FM のトレーニングとファインチューニングのプロセスを説明する。
  • 3.4 FM のパフォーマンスを評価する方法を説明する。

公式の学習リソース

04

責任ある AI に関するガイドライン

Guidelines for Responsible AI

14%

学習目標

  • 責任ある AI の要素(バイアス・公平性・包摂性・堅牢性・安全性・正確性)と、Bedrock ガードレールなどのツールを説明できる
  • 生成 AI の法的なリスク(知的財産の侵害、偏った出力、顧客の信頼の喪失)と、データセットの特性(多様性・バランス・出所)を説明できる
  • バイアスとバリアンス、過学習と未学習の影響と、SageMaker Clarify・人による監査・サブグループ分析などの検出の方法を説明できる
  • 透明性・説明可能性のあるモデルとそうでないモデルの違い、SageMaker Model Cards などのツール、人間中心の設計の原則を説明できる

要点

  • 責任ある AI の観点:公平性(特定の集団に不利にならない)、説明可能性、プライバシーとセキュリティ、安全性、制御可能性、正確性と堅牢性、ガバナンス、透明性。
  • Bedrock のガードレールで、有害なコンテンツの拒否、禁止する話題、個人情報のマスキング、根拠に基づかない回答の検出(コンテキストに基づくグラウンディングのチェック)などを、アプリの入出力に適用できる。
  • データセット:多様で偏りのないデータ、出所の分かるデータ、ラベルの品質。特定の集団のデータが少ないと、その集団への予測の精度が下がる(バイアス)。
  • 過学習(バリアンスが大きい)は学習データには合うが新しいデータで外れる。未学習(バイアスが大きい)は学習データにも合わない。正則化・データの追加・モデルの複雑さの調整で対処する。
  • SageMaker Clarify は学習前のデータと学習後のモデルのバイアスを測り、特徴量の重要度(SHAP)で予測の説明を助ける。人による監査やサブグループ別の分析も組み合わせる。
  • 説明可能性と性能はトレードオフになることがある。決定木や線形モデルは説明しやすく、深いニューラルネットワークは高性能だが説明しにくい。用途の説明責任の重さで選ぶ。
  • SageMaker Model Cards でモデルの目的・学習データ・評価結果・制限事項を記録して共有する。利用者が AI の判断だと分かるようにし、フィードバックの仕組みを用意する(人間中心の設計)。
  • 法的なリスク:生成物が他者の著作権を侵害する、偏った出力で差別につながる、誤った回答で信頼を失う。利用規約・出所の確認・人のレビューで管理する。環境への負荷(大きなモデルの学習・推論の電力)も選定の観点になる。

業務での使いどころ

  • 総務採用の書類選考に AI を使う前に、Clarify で性別・年齢による選考結果の偏りを測り、偏りがあれば学習データと特徴量を見直す。最終判断は人が行う。
  • 営業顧客向けのチャットに Bedrock のガードレールを設定し、競合他社の誹謗や価格の約束をしないよう話題を制限、個人情報はマスキングする。
  • 経理与信の判定モデルについて Model Cards に目的・学習データ・評価結果・制限事項を記録し、監査で説明できるようにする。

公式のタスクステートメント(英語)

  • 4.1 責任ある AI システムの開発について説明する。
  • 4.2 透明性の高い説明可能なモデルの重要性を認識する。

公式の学習リソース

05

AI ソリューションのセキュリティ、コンプライアンス、ガバナンス

Security, Compliance, and Governance for AI Solutions

14%

学習目標

  • IAM のロールとポリシー、暗号化、Macie、PrivateLink、責任共有モデルで AI システムを保護する方法を説明できる
  • データの出所(リネージ)とカタログ、Model Cards による文書化、プライバシーを守るデータエンジニアリングを説明できる
  • ハルシネーションの検出とグラウンディング(RAG・出力の検証)、プロンプトインジェクションへの対策を説明できる
  • Config・Inspector・Artifact・CloudTrail・Trusted Advisor・Audit Manager と、データの保持・所在地・ログの方針、生成 AI セキュリティスコーピングマトリックスなどの枠組みを説明できる

要点

  • 責任共有モデル:AWS はクラウドの基盤のセキュリティ、利用者はデータ・アクセス権・アプリの設定・プロンプトや出力の扱いに責任を持つ。マネージドサービスほど AWS の範囲が広がる。
  • Bedrock では、入力したプロンプトと出力はベースモデルの改善に使われず、モデルの提供者とも共有されない(Bedrock の公式のセキュリティとコンプライアンスのページに記載)。保存時は KMS、転送時は TLS で暗号化し、PrivateLink(VPC エンドポイント)でインターネットを経由せずに呼び出せる。
  • 最小権限:IAM ポリシーで、使えるモデルや操作を限定する。モデル呼び出しのログ(CloudWatch Logs・S3)と CloudTrail で、誰がいつ何をしたかを記録する。
  • 学習データや RAG の文書に個人情報が含まれていないかを Macie で検出し、必要に応じてマスキング・匿名化する。データのアクセス管理は Lake Formation、カタログとリネージは Glue データカタログなど。
  • ハルシネーションの対策:RAG で根拠となる文書を与える(グラウンディング)、出典を示させる、ガードレールのグラウンディングのチェック、出力の検証、人のレビュー。
  • ガバナンスのサービス:AWS Config(設定の記録と準拠の評価)、Inspector(脆弱性)、Artifact(AWS の第三者監査レポートやコンプライアンスの文書の入手)、CloudTrail(操作の記録)、Trusted Advisor(推奨事項)、Audit Manager(監査の証跡の収集)。
  • データのガバナンス:保持期間・削除(ライフサイクル)、保存するリージョン(データの所在地)、ログと監視、定期的なレビュー。生成 AI セキュリティスコーピングマトリックスで、利用の形態(既製のアプリの利用から自社でのモデルの学習まで)ごとに必要な対策を整理できる。

業務での使いどころ

  • 経理経理の文書を使う RAG で、Bedrock を VPC エンドポイント経由で呼び出し、ナレッジベースのデータは KMS のキーで暗号化。モデル呼び出しのログを監査用に保存する。
  • 総務社内の AI 利用ガイドラインを作り、生成 AI セキュリティスコーピングマトリックスで利用の形態ごとの対策を整理。監査の際は Artifact で AWS の認証レポートを入手する。
  • 営業顧客データを生成 AI に入れる前に Macie で個人情報を検出し、必要な項目だけをマスキングして使う。

公式のタスクステートメント(英語)

  • 5.1 AI システムを保護する方法を説明する。
  • 5.2 AI システムのガバナンスとコンプライアンス規制を認識する。

公式の学習リソース

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