AI-103 · LESSON 1
Azure AI ソリューションの計画と管理25–30% · 4項目
Microsoft Foundry のサービスの選び方、AI ソリューションのセットアップ、管理・監視・セキュリティ、責任ある AI の実装を学びます。
1.1生成 AI とエージェントに適した Foundry のサービスを選ぶ
Choose the appropriate Foundry services for generative AI and agents
概念
Microsoft Foundry には、モデル(Foundry Models:Azure OpenAI のモデルやパートナー・オープンのモデル)、Foundry Agent Service(エージェントの構築と実行)、Foundry Tools(Vision・Language・Speech・Content Understanding などの AI サービス)、Azure AI Search(検索と RAG)などがあります。要件に合うものを組み合わせます。
仕組み・手順
- 課題を「生成」「エージェント(ツールを使った作業)」「解析(画像・文書・音声)」「検索」に分ける
- 生成やチャットは Foundry Models、ツールを使う自律的な処理は Agent Service を選ぶ
- 定型の解析は事前構築の AI サービス(Language・Vision・Speech・Document Intelligence など)を優先する
- 社内データに基づく回答は Azure AI Search(またはエージェントのナレッジ)と組み合わせる
- モデルカタログで性能・コスト・リージョンの提供状況を比べて選ぶ
業務での例
請求書の処理は Content Understanding で項目を抽出し、問い合わせ対応はエージェントが AI Search で規程を検索、必要に応じて社内 API をツールとして呼び出す。
紛らわしい点・試験の注意
- すべてを LLM で解こうとせず、定型の解析は専用サービスの方が安く確実なことが多い
- モデルのリージョンやデプロイの種類によって使える機能が異なる
- エージェントは「ツールを使って複数の手順をこなす」場合に選ぶ
ミニクイズ
Q1. 毎日数万件の問い合わせを「請求」「配送」「その他」に分類したい。品質要件は中程度で、コストと遅延を抑えたい。最初に評価すべきモデルはどれか。
- 小規模言語モデル(SLM)
- 最大規模の推論特化モデル
- 埋め込み(embedding)モデル
- 微調整した大規模モデル
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正解:A 小規模言語モデル(SLM)
定型的で大量の分類は小規模モデルでも要件を満たしやすく、コスト・遅延の面で有利。 【他の選択肢】推論特化モデルは高品質だがコストと遅延が大きく、単純な分類には過剰。埋め込みモデルだけでは分類ラベルを出力しない。微調整した大規模モデルは学習と運用のコストがかかり、最初に評価する候補ではない。
Q2. アプリから Foundry のモデルを呼び出す際の認証として最も推奨される方法はどれか。
- サービス プリンシパルのクライアント シークレットを構成ファイルに保存する
- 開発者の Entra ID アカウントでサインインし、そのトークンを共用する
- API キーを Azure Key Vault に保管し、アプリ起動時に読み込んで呼び出す
- マネージド ID を使い、RBAC で必要最小限のロールを付与する
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正解:D マネージド ID を使い、RBAC で必要最小限のロールを付与する
キーレス認証ならキーの漏えい・ローテーション管理の問題がなくなる。権限は最小限にする。 【他の選択肢】Key Vault のキーも漏えいとローテーションの管理が残り、キーレスより推奨度が低い。構成ファイルのシークレットや開発者個人のトークンの共用は安全でない。
参考リンク
1.2Foundry で AI ソリューションをセットアップする
Set up AI solutions in Foundry
概念
Foundry リソースとプロジェクトを作成し、モデルをデプロイして、SDK(Foundry SDK・OpenAI SDK)からエンドポイントを呼び出します。認証は Microsoft Entra ID(マネージド ID)を推奨し、外部サービスへは接続(Connections)でつなぎます。
仕組み・手順
- Foundry リソースとプロジェクトを作成する
- モデルカタログからモデルを選び、デプロイの種類(Standard・Global Standard・Provisioned など)を決めてデプロイする
- プロジェクトのエンドポイントと Microsoft Entra ID 認証でアプリから呼び出す
- AI Search・Storage などを接続として登録する
- プレイグラウンドで動作を確かめてからコードに移す
業務での例
チャットの試作をプレイグラウンドで行い、システムメッセージとパラメータを決めてから、マネージド ID で認証する Web アプリに組み込む。
紛らわしい点・試験の注意
- API キーをコードに埋め込まない。Key Vault かマネージド ID を使う
- デプロイ名(アプリが指定する名前)とモデル名は別物
- クォータ(TPM)はデプロイごとに割り当てる
ミニクイズ
Q1. 月末の締め処理時に、モデル呼び出しで 429 エラー(要求過多)が多発した。最初の対応として適切なものはどれか。
- 失敗した要求を間隔を空けずに即時に再送し、成功するまで繰り返す
- クォータとレート制限を確認し、指数バックオフ付きの再試行と容量計画を行う
- 同じリージョンの同じリソースにデプロイを追加し、クォータの合計を増やして対応する
- max_tokens を減らして応答を短くし、429 が出なくなるまで調整する
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正解:B クォータとレート制限を確認し、指数バックオフ付きの再試行と容量計画を行う
429 はレート制限超過。再試行の間隔を空け、必要なら容量(クォータ・デプロイ形態)を見直す。 【他の選択肢】即時の再送は 429 を悪化させる。max_tokens は TPM の消費に影響するが原因の確認なしでは不十分。同じリソースでデプロイを増やしてもクォータの合計は増えない。
Q2. Foundry のプロジェクトを使うアプリの Azure インフラを設計する。本番環境の基本構成として最も適切なものはどれか。
- マネージド ID、プライベート エンドポイント、ロール割り当て
- Key Vault の API キー、パブリック アクセス、共同作成者ロール
- 本番と開発で共用のリソース、キー認証、閲覧者ロール
- サービス プリンシパルのシークレット、IP 制限、所有者ロール
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正解:A マネージド ID、プライベート エンドポイント、ロール割り当て
本番はキーレス認証(マネージド ID)、閉域化(プライベートエンドポイント)、最小権限のロール割り当てを基本にする。 【他の選択肢】Key Vault のキーやシークレットはキーレスより漏えいのリスクが残る。共同作成者や所有者は推論に過大な権限で、本番と開発の共用は分離に反する。
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1.3AI システムを管理・監視・保護する
Manage, monitor, and secure AI systems
概念
AI システムの運用では、アクセスの管理(RBAC・マネージド ID)、ネットワークの保護(プライベートエンドポイント)、データの保護(カスタマーマネージドキー)、利用状況とコストの監視(Azure Monitor・トークン数)、トレースによる動作の可視化を組み合わせます。
仕組み・手順
- 最小権限の RBAC を割り当て、キー認証を無効にする(disableLocalAuth)
- プライベートエンドポイントで公衆ネットワークからのアクセスを止める
- 診断設定でログとメトリックを Log Analytics に送る
- トークン使用量・429 エラー・レイテンシのアラートを設定する
- Microsoft Defender for Cloud の AI の脅威保護を有効にする
業務での例
ある部署の利用が急増して 429 が多発したため、Azure Monitor のアラートで検知し、デプロイのクォータを見直して API Management で部署ごとのトークン上限を設定する。
紛らわしい点・試験の注意
- キー認証を残すとキーの漏洩リスクが残る
- 429 は容量の問題で、セキュリティの問題ではない
- 監視(メトリック)とトレース(個々のリクエスト)は役割が違う
ミニクイズ
Q1. 社内文書 Q&A で、回答が根拠文書から外れる傾向が出てきた。継続的に監視すべき指標として最も適切なものはどれか。
- コンテンツフィルターの検出件数
- トークン使用量と 1 日あたりの推論の費用
- 根拠性(groundedness)などの品質指標
- 応答の遅延(レイテンシ)の推移
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正解:C 根拠性(groundedness)などの品質指標
根拠性の低下は検索インデックスやデータ取り込みの劣化を示すことが多い。 【他の選択肢】遅延や費用、フィルターの検出件数は運用上重要だが、回答が根拠から外れていることは示さない。
Q2. エージェントが支払実行ツールを持つ場合のガバナンスとして最も適切なものはどれか。
- 支払額の上限をプロンプトに記載し、超える場合は再確認させる
- ツールの利用を制限し、実行前に人の承認を必須にする
- システム メッセージで「高額の支払いは慎重に判断すること」と指示する
- 支払実行ツールの結果をログに残し、月次でまとめて確認する
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正解:B ツールの利用を制限し、実行前に人の承認を必須にする
影響の大きいツールは、アクセス制御と承認で統制する。 【他の選択肢】指示やプロンプトの上限は確実な統制にならない。事後の月次確認では誤った支払いを防げない。
参考リンク
1.4生成 AI とエージェントのシステムに責任ある AI を実装する
Implement responsible AI across generative AI and agentic systems
概念
Microsoft の責任ある AI の原則(公平性・信頼性と安全性・プライバシーとセキュリティ・包括性・透明性・説明責任)を、コンテンツフィルター、プロンプトシールド(直接・間接のプロンプト攻撃の検出)、グラウンディングの検出、安全性の評価、人による確認で具体化します。
仕組み・手順
- リスクを洗い出す(有害な出力・ハルシネーション・プロンプトインジェクション・情報漏洩)
- コンテンツフィルターの重大度の閾値と、プロンプトシールドを設定する
- システムメッセージに安全の指示(安全メタプロンプト)を加える
- 安全性の評価とレッドチーミングで測定する
- 利用者に AI であることと限界を示し、影響の大きい操作は人の承認を入れる
業務での例
社外向けのチャットで、参照する Web ページに埋め込まれた指示(間接攻撃)をプロンプトシールドで検出し、エージェントのメール送信には担当者の承認を必須にする。
紛らわしい点・試験の注意
- システムメッセージの指示だけでは有害な出力を確実には防げない(フィルターと組み合わせる)
- 間接攻撃は利用者の入力ではなく、参照した文書やツールの結果に含まれる指示
- 責任ある AI は「識別 → 測定 → 軽減 → 運用」の繰り返し
ミニクイズ
Q1. 有害な出力を防ぐため、モデルの入出力に対して最初に構成すべきものはどれか。
- システム メッセージに「有害な内容を出力しない」と書く
- temperature を下げ、出力の揺れを小さくする
- 応答の最大トークン数を短く制限する
- コンテンツフィルター(安全フィルター)とガードレール
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正解:D コンテンツフィルター(安全フィルター)とガードレール
入出力の安全フィルターとガードレールは責任ある AI の基本的な対策。 【他の選択肢】システム メッセージの指示だけでは有害出力を確実には防げない。temperature や最大トークン数は安全性の制御ではない。
Q2. 開発環境でエージェントの動作確認が終わった。本番展開の前に次に行うべきこととして最も適切なものはどれか。
- 開発環境の API キーとエンドポイントを本番でも使う
- 本番の利用者に先に公開し、問題は使いながら直す
- 開発時のトレースを削除し、本番のログを空にしておく
- テストデータで品質と安全性を評価し、基準を確認する
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正解:D テストデータで品質と安全性を評価し、基準を確認する
本番展開の前に、品質(根拠性・関連性など)と安全性の評価を行い、合格基準を満たすことを確認する。 【他の選択肢】開発環境のキーの流用は環境の分離に反する。トレースの削除は評価の材料を失う。評価前の公開は品質と安全性を確認していない。
参考リンク
レッスンは当サイトがMicrosoft Learn の公開ページをもとに独自に作成したもので、試験の内容を保証するものではありません。製品の仕様は変わることがあるため、参考リンク先の最新情報を確認してください。
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