SAP-C02 · LESSON 4
ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速20% · 4項目
移行の対象の選定、移行のアプローチ、新しいアーキテクチャ、モダナイゼーションの機会の判断を学びます。
4.1移行が可能なワークロードとプロセスを選択する
4.1 移行が可能な既存のワークロードとプロセスを選択する。
概念
移行の対象を選ぶには、まず現状を把握します。AWS Application Discovery Service(エージェントまたはエージェントレス)でサーバーの構成・使用率・依存関係を収集し、Migration Hub で進捗を一元管理します。依存関係の強いサーバーは同じ移行のグループ(ウェーブ)にまとめ、ビジネスの優先度とリスクで順番を決めます。
仕組み・手順
- Discovery Service でサーバーの情報と通信の依存関係を収集する
- アプリケーションごとにサーバーをグループ化する
- 事業の価値・複雑さ・リスクで優先順位を付ける
- 依存関係を考慮して移行のウェーブを計画する
- Migration Hub で進捗を追跡する
業務での例
依存関係の可視化で、受注システムと在庫 DB が密に通信していると分かり、両方を同じウェーブで移行して遅延の問題を避ける。
紛らわしい点・試験の注意
- エージェントレス(VMware 向け)では、プロセスの詳細な情報は取れない
- 依存関係を無視して分割すると、移行後にオンプレミスとの通信で遅延が出る
- 最初は複雑さの低いシステムで経験を積む
ミニクイズ
Q1. 移行の計画のため、オンプレミスの VMware 上の 500 台の仮想マシンの構成と使用率を集めたい。各サーバーにはエージェントを入れたくない。最も適切な方法はどれか。
- Migration Evaluator のコレクターで、費用の見積もりだけを作る
- Systems Manager のインベントリで、各サーバーの構成を集める
- Application Discovery Service のエージェントを各サーバーに入れる
- Application Discovery Service のエージェントレスのコレクターを vCenter に接続する
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正解:D Application Discovery Service のエージェントレスのコレクターを vCenter に接続する
Application Discovery Service のエージェントレスの方式は、vCenter から仮想マシンの構成と使用率を集める。プロセスや通信の依存関係まで詳しく知りたい場合はエージェントを使う。 【他の選択肢】エージェントはエージェントを入れない条件に反する。費用の見積もりだけでは計画の構成と使用率が足りない。Systems Manager のインベントリは各サーバーにエージェントが要る。
Q2. 数百のアプリの移行をウェーブ(移行の波)に分けて計画する。最も適切な考え方はどれか。
- すべてのサーバーを同じ週末に一斉に移行し、ウェーブには分けずに一度で終わらせる
- サーバーの名前の順にウェーブを分けて、依存関係は気にせずに機械的に移行を進めていく
- 最も重要で複雑な基幹システムを最初のウェーブで移し、移行の経験が少ないうちに最大の難所を先に片付けておく
- 依存関係の強いサーバーを同じウェーブにまとめ、リスクの小さいアプリから先に移して手順を固める
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正解:D 依存関係の強いサーバーを同じウェーブにまとめ、リスクの小さいアプリから先に移して手順を固める
依存関係を分断すると、オンプレミスとクラウドの間の通信が増えて性能や障害の問題が起きやすい。小さく始めて手順を確立してから規模を広げる。
参考リンク
4.2既存ワークロードの最適な移行アプローチを決定する
4.2 既存ワークロードの最適な移行アプローチを決定する。
概念
移行の戦略(7R:リホスト・リプラットフォーム・リファクタリング・再購入・リタイア・保持・リロケート)を選び、ツールを決めます。サーバーのリホストは AWS Application Migration Service(MGN:継続的なブロックレベルのレプリケーションで短い切り替え)、DB は AWS DMS(フルロードと CDC で最小のダウンタイム)と Schema Conversion、ファイルは DataSync、ネットワークが細い大量データは Snowball Edge を使います。
仕組み・手順
- ワークロードごとに 7R の戦略を決める
- サーバーは MGN で複製し、テストの起動の後に切り替える
- DB は DMS のフルロードの後に CDC で差分を同期し、短い停止で切り替える
- 異なる DB エンジンへの移行はスキーマの変換も行う
- 回線の帯域と期限から、オンラインかオフライン(Snowball)かを決める
業務での例
100 TB のファイルを 1 Gbps の回線で 1 週間で移す必要があるため(回線では間に合わない)、Snowball Edge で初回を運び、差分を DataSync で同期する。
紛らわしい点・試験の注意
- DMS の CDC で、切り替えまでソースの DB を使い続けられる
- MGN は継続的なレプリケーション。切り替え時の停止は短い
- 帯域の計算:1 Gbps で 100 TB は約 9 日以上かかる
ミニクイズ
Q1. DMS で移行中、CDC の遅延(レイテンシー)が増え続けて追いつかない。次に行うべきこととして最も適切なものはどれか。
- LOB の列の設定を完全な LOB モードに変え、データの欠けを防ぐ
- 移行先の DB のインスタンスを大きくし、書き込みを速くする
- タスクを全量ロードからやり直し、CDC の開始の位置を新しくする
- レプリケーションインスタンスの CPU・メモリなどを確かめ、必要なら大きいクラスに変える
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正解:D レプリケーションインスタンスの CPU・メモリなどを確かめ、必要なら大きいクラスに変える
CDC の遅延は、レプリケーションインスタンスの資源不足や、移行先の書き込み性能、タスクの設定などが原因になる。メトリクスで原因を特定して対処する。 【他の選択肢】やり直しは原因を確かめずに時間がかかる。移行先の性能も原因になりうるが、まずメトリクスで確かめる。完全な LOB モードは遅くなりやすい。
Q2. AWS Snowball Edge の説明として誤っているものはどれか。
- デバイスのデータは暗号化されないため、輸送中のデータは利用者が別の方法で守る必要がある
- デバイスに書き込んだデータは、AWS に届いたあと S3 に取り込まれる
- ネットワークでの転送に時間がかかりすぎる大量のデータを、デバイスで物理的に運んで移行できる
- エッジでのデータの処理(コンピューティング)に使える機能もある
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正解:A デバイスのデータは暗号化されないため、輸送中のデータは利用者が別の方法で守る必要がある
Snowball Edge に書き込むデータは KMS で管理するキーで自動的に暗号化され、デバイスも改ざんを防ぐ仕組みを持つ。
参考リンク
4.3既存ワークロードの新しいアーキテクチャを決定する
4.3 既存ワークロードの新しいアーキテクチャを決定する。
概念
移行先のアーキテクチャでは、計算(EC2・コンテナ・サーバーレス)、ストレージ(EBS・EFS・FSx・S3)、DB(RDS・Aurora・DynamoDB・目的別の DB)、ネットワーク・認証を要件から選びます。Windows のファイル共有は FSx for Windows File Server、商用 DB のライセンスの制約、Active Directory の連携(AWS Managed Microsoft AD)なども考慮します。
仕組み・手順
- 現行の機能・性能・ライセンスの要件を整理する
- マネージドで置き換えられる部分(DB・ファイル・AD)を選ぶ
- ライセンスの条件から、ライセンス込みか BYOL(専有ホスト)かを決める
- オンプレミスと共存する期間のネットワークと認証を設計する
- 移行後の運用(監視・バックアップ)を設計する
業務での例
Windows のファイルサーバーを FSx for Windows File Server に、Active Directory は AWS Managed Microsoft AD とオンプレミスの AD の信頼関係で連携させる。
紛らわしい点・試験の注意
- リホストした後もマネージドのサービスに置き換える余地がある
- 商用 DB のライセンスはクラウドの条件を確認する
- NFS(Linux)は EFS、SMB(Windows)は FSx for Windows
ミニクイズ
Q1. 調査の結果、移行するアプリはオンプレミスの Active Directory の認証に依存していると分かった。AD は当面オンプレミスに残す。次に行うべきこととして最も適切なものはどれか。
- AWS Managed Microsoft AD とオンプレミスの AD で信頼関係を結ぶか、AD Connector で中継する
- IAM Identity Center で、オンプレミスの AD のユーザーを IAM ユーザーに同期する
- Amazon Cognito のユーザープールに、AD のユーザーを移す
- Simple AD を作り、オンプレミスの AD のユーザーを取り込む
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正解:A AWS Managed Microsoft AD とオンプレミスの AD で信頼関係を結ぶか、AD Connector で中継する
Directory Service で、AWS 側の AD とオンプレミスの AD の信頼関係を結ぶか、AD Connector でオンプレミスの AD に認証を中継できる。 【他の選択肢】Identity Center は AWS へのサインインの管理で、アプリの AD の認証を置き換えない。Simple AD はオンプレミスの AD と信頼関係を結べない。Cognito は AD の認証に依存するアプリをそのまま動かせない。
Q2. 移行するアプリの実行環境を選んでいる。アプリが特定のカーネルモジュールとライセンス管理のエージェントを必要とし、OS を細かく制御する必要がある。最も適したものはどれか。
- AWS Elastic Beanstalk
- AWS Lambda
- Amazon EC2
- Amazon ECS on AWS Fargate
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正解:C Amazon EC2
EC2 は OS の管理者権限を持てるため、特殊なドライバーやエージェントが必要なアプリも動かせる。その分、パッチなどの運用は利用者が行う。
参考リンク
4.4モダナイゼーションと機能強化の機会を決定する
4.4 モダナイゼーションと機能強化の機会を決定する。
概念
モダナイゼーションは、移行したシステムをクラウドネイティブにして、俊敏性とコストを改善することです。モノリスをマイクロサービスに分ける(ストラングラーフィグのパターン)、コンテナ化(ECS・EKS・Fargate)、サーバーレス化(Lambda・Step Functions・EventBridge)、商用 DB からオープンソースや Aurora への移行、目的別の DB の採用などがあります。
仕組み・手順
- 運用の負担・変更の頻度・コストの課題が大きい部分を特定する
- ストラングラーフィグのパターンで機能を少しずつ切り出す
- コンテナ化やサーバーレス化で運用の手間を減らす
- 商用 DB を Aurora などに移してライセンス費を下げる
- 効果(デプロイの頻度・費用)を測る
業務での例
モノリスの EC サイトから、まず商品検索の機能を API Gateway と Lambda に切り出し、ALB のパスでルーティングして、残りのモノリスは変えずに段階的に移す。
紛らわしい点・試験の注意
- 一度に全面的に作り直すと、リスクと期間が大きくなる
- マイクロサービスはデータの分離と運用の監視の設計が必要
- 目的別の DB は適材適所だが、種類が増えると運用が複雑になる
ミニクイズ
Q1. モノリスの受注システムを、マイクロサービスへ段階的に移すことにした。最初に行うべきこととして最も適切なものはどれか。
- マイクロサービスに必要なツールをすべて導入して、利用の予定がなくても使えるようにしておく
- モノリスのデータベースを先にすべての機能ごとに分割して、アプリの変更は最後にまとめて行うことにする
- すべての機能を一度にマイクロサービスとして作り直し、完成した時点でまとめて切り替えることにする
- 影響の小さい機能を1つ選んで新しいサービスとして切り出し、ALB のパスでそのサービスに振り分ける
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正解:D 影響の小さい機能を1つ選んで新しいサービスとして切り出し、ALB のパスでそのサービスに振り分ける
小さく切り出して、効果と運用の手順を確かめてから範囲を広げる(ストラングラーフィグ)。一度に作り直すのはリスクが高い。
Q2. 移行先の候補として AWS Lambda を検討している。Lambda について、説明が正しくないものはどれか。
- イベントをきっかけにコードを実行し、実行した時間とリクエストの数で課金される
- 1回の実行を何時間でも続けられるため、数時間かかるバッチの処理にも最適である
- コンテナイメージの形式で関数をデプロイすることもできる
- 負荷に応じて自動で同時に実行される数が増える
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正解:B 1回の実行を何時間でも続けられるため、数時間かかるバッチの処理にも最適である
Lambda の1回の実行時間は最大 15 分。長時間の処理は Step Functions で分割するか、Fargate・AWS Batch などを使う。
参考リンク
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