AI-103 · LESSON 5
情報抽出ソリューションの実装10–15% · 2項目
検索とグラウンディングのパイプラインの構築と、文書からのコンテンツの抽出を学びます。
5.1検索とグラウンディングのパイプラインを構築する
Build retrieval and grounding pipelines
概念
グラウンディングは、モデルの回答を検証できる情報源に結び付けることです。Azure AI Search では、データソース → インデクサー → スキルセット(チャンク分割・埋め込みの作成・OCR)→ インデックスの流れでデータを取り込み、ハイブリッド検索とセマンティックランカーで関連する情報を取り出します。エージェントのナレッジとしても使えます。
仕組み・手順
- データソース(Blob・SharePoint など)とインデックスのスキーマを決める
- 統合ベクトル化(チャンク分割と埋め込みの作成)を設定する
- ハイブリッド検索(キーワード+ベクトル)とセマンティックランカーを有効にする
- 取り出した文脈と出典をプロンプトに入れ、出典付きで回答させる
- ドキュメントレベルのアクセス制御で、利用者が見られる文書だけを検索する
業務での例
社内規程の Q&A で、SharePoint の文書を AI Search に取り込み、利用者の権限でフィルターして、回答に規程の章番号を出典として示す。
紛らわしい点・試験の注意
- インデクサーは定期的な取り込み、プッシュ API は即時の更新
- セマンティックランカーは検索結果の並べ替えで、ベクトル検索そのものではない
- 権限のフィルターを忘れると、見るべきでない文書が回答に混ざる
ミニクイズ
Q1. 社内文書検索で「型番 AB-1234 の保証期間」のような完全一致と、「壊れたときの対応」のような言い換えの両方に強くしたい。適切な検索方式はどれか。
- ベクトル検索(埋め込みの類似度)のみ
- セマンティック ランカーによる意味的な並べ替えのみ
- キーワード検索(BM25)のみ
- ハイブリッド検索(キーワード検索+ベクトル検索)
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正解:D ハイブリッド検索(キーワード検索+ベクトル検索)
ハイブリッド検索は固有名詞の一致と意味的な類似の両方を拾える。 【他の選択肢】ベクトル検索だけでは型番の完全一致に弱く、キーワード検索だけでは言い換えに弱い。セマンティック ランカーは並べ替えで、検索方式そのものではない。
Q2. 検索結果の上位に、より質問に関連する文書が来るよう並べ替えたい。適切な機能はどれか。
- スコアリング プロファイル
- セマンティック ランキング
- ベクトル プロファイルの設定
- クエリのファセット
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正解:B セマンティック ランキング
セマンティックランキングで意味的な関連性に基づき再順位付けできる。 【他の選択肢】ベクトル プロファイルは埋め込み検索の構成。スコアリング プロファイルはフィールドの重みや鮮度による加点で意味の関連度ではない。ファセットは絞り込み用である。
参考リンク
5.2文書からコンテンツを抽出する
Extract content from documents
概念
文書からの抽出には、Azure Content Understanding(スキーマを定義してフィールドを抽出、生成 AI を活用)と、Document Intelligence(事前構築モデル:請求書・領収書・身分証など、レイアウト解析、カスタム抽出モデル)があります。抽出した構造化データは業務システムや検索のインデックスに使います。
仕組み・手順
- 文書の種類と抽出したい項目を決める
- 請求書など一般的な文書は事前構築モデル、独自の様式はカスタムモデルか Content Understanding を使う
- レイアウト解析で表・段落・見出しを Markdown などに変換し、RAG のチャンク分割に使う
- 信頼度スコアが低い項目は人が確認する
- 抽出結果をシステムに登録する前に検証のルールを適用する
業務での例
取引先ごとに様式が違う注文書から、Content Understanding で注文番号・品目・数量を抽出し、信頼度が 0.8 未満の項目だけを担当者が確認する。
紛らわしい点・試験の注意
- OCR(文字の読み取り)と項目の抽出(意味のあるフィールド)は別の段階
- 事前構築モデルで足りる文書にカスタムモデルを作る必要はない
- レイアウト解析の出力は RAG のチャンク分割の品質を上げる
ミニクイズ
Q1. 紙をスキャンした PDF の請求書を RAG の根拠に使いたい。取り込み時に必要な処理はどれか。
- PDF をそのままベクトル化して索引に登録する
- PDF のメタデータだけを抽出して索引化する
- PDF をマークダウンに変換せず画像として保存する
- OCR を含む取り込みフローでテキスト化する
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正解:D OCR を含む取り込みフローでテキスト化する
スキャン画像の文字は OCR でテキスト化しないと検索できない。 【他の選択肢】スキャン PDF は画像なので、OCR なしではテキストの埋め込みを作れない。メタデータだけや画像の保存では本文を検索できない。
Q2. 請求書から取引先名・金額・支払期日を取り出し、照合処理に渡したい。適切な方法はどれか。
- OCR・レイアウト分析・フィールド抽出を組み合わせたパイプライン
- 請求書をベクトル化し、類似する過去の請求書の値を流用する
- OCR で全文を読み取り、金額らしい数字を正規表現で抜き出して使う
- 請求書の画像をマルチモーダル モデルで要約し、要約文を照合に渡す
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正解:A OCR・レイアウト分析・フィールド抽出を組み合わせたパイプライン
レイアウトを考慮したフィールド抽出で、表や項目を構造化データにできる。 【他の選択肢】要約文は照合に必要な項目の形式にならない。正規表現は様式の違いに弱い。過去の請求書の値の流用は誤りになる。
参考リンク
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