生成AIパスポート · LESSON 1
第1章 AIの基礎と歴史13%(当サイト設定) · 4項目
AI の基本的な仕組み、機械学習の種類、ニューラルネットワーク、AI の歴史を学びます。
1.1AI の基本的な仕組み(ルールベースと機械学習)
AIの基本的な仕組み(ルールベースと機械学習)
概念
ルールベースの AI は、人が書いた「もし〜なら〜する」という規則で動きます。動作が説明しやすい一方、規則にない状況には対応できず、規則の作成と保守に手間がかかります。機械学習は、データから規則(パターン)を自動で学びます。大量のデータがあれば複雑な判断ができますが、学習したデータに依存し、判断の理由が分かりにくいことがあります。
仕組み・手順
- 課題の規則が明確で変わらないならルールベースを検討する
- 規則を書き切れない複雑な判断(画像・言語)は機械学習を使う
- 機械学習には、目的に合う質と量のデータを用意する
業務での例
経費の規程のチェック(上限額を超えたら差し戻す)はルールベース、領収書の画像から金額を読み取るのは機械学習が向く。
紛らわしい点・試験の注意
- ルールベースも AI の一種(エキスパートシステムなど)
- 機械学習は「プログラムを書く」のではなく「データから学ぶ」
- 機械学習の結果は確率的で、100% 正しいとは限らない
ミニクイズ
Q1. 人が書いた規則(もし〜ならば〜)に従って判断する AI の仕組みを何と呼ぶか。
- ディープラーニング
- 機械学習
- 強化学習
- ルールベース
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正解:D ルールベース
ルールベースは人が規則を書き込む方式。想定外の入力に弱く、規則を増やすほど管理が難しくなる。この限界から、データから規則を学ぶ機械学習へと発展した。
Q2. ルールベースの仕組みの限界として最も適切なものはどれか。
- 想定していない入力に対応しにくく、規則の追加と保守の手間が増え続ける
- 大量の学習データと高い計算能力がないと、規則を一つも作れない
- 同じ入力でも実行するたびに結果が変わり、動作の再現性がない
- 判断の理由を説明できず、どの規則で結果が出たのかを追跡できないことが多いため
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正解:A 想定していない入力に対応しにくく、規則の追加と保守の手間が増え続ける
ルールベースは規則に書かれた範囲では説明しやすく再現性もあるが、現実の多様な入力をすべて規則で書くことは難しい。
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1.2機械学習の種類
機械学習(教師あり・教師なし・強化・半教師あり学習、ノーフリーランチ定理)
概念
教師あり学習は正解(ラベル)付きのデータで学び、分類や回帰(数値の予測)を行います。教師なし学習はラベルなしのデータから構造を見つけ、クラスタリングなどに使います。強化学習は試行錯誤で報酬を最大化する行動を学びます。半教師あり学習は少量のラベル付きと大量のラベルなしのデータを組み合わせます。ノーフリーランチ定理は「あらゆる問題で最良の万能なアルゴリズムは存在しない」ことを示します。
仕組み・手順
- 正解のラベルがあるかを確認する(あれば教師あり)
- ラベルがなくグループ分けしたいなら教師なし
- 行動の結果に報酬があり、試行錯誤できるなら強化学習
業務での例
メールの迷惑メールの判定は教師あり、顧客の購買の傾向によるグループ分けは教師なし、ゲームの攻略は強化学習が向く。
紛らわしい点・試験の注意
- 分類はカテゴリ、回帰は数値の予測
- 強化学習は「正解」ではなく「報酬」から学ぶ
- ノーフリーランチ定理は、問題に合わせて手法を選ぶ必要があることを示す
ミニクイズ
Q1. 「あらゆる問題に対して、常に他より優れた万能のアルゴリズムは存在しない」という考え方を何と呼ぶか。
- スケーリング則(べき乗則)
- オッカムの剃刀の原理
- ノーフリーランチ定理
- シンギュラリティ仮説
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正解:C ノーフリーランチ定理
ノーフリーランチ定理は、問題の性質に合わせて手法を選ぶ必要があることを示す。スケーリング則はモデルの規模と性能の関係、ムーアの法則は半導体の集積度の経験則。
Q2. 識別系 AI と生成系 AI の違いとして最も適切なものはどれか。
- 識別系はデータの分類や判定を行い、生成系は学習したデータの特徴をもとに新しいデータを作る
- 識別系はルールベースの仕組みで動き、生成系はニューラルネットワークで動く
- 識別系は教師なし学習だけを使い、生成系は教師あり学習だけを使って学習することで区別されている
- 識別系は画像だけを扱い、生成系はテキストだけを扱うモデルの総称である
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正解:A 識別系はデータの分類や判定を行い、生成系は学習したデータの特徴をもとに新しいデータを作る
識別系 AI は入力がどのクラスかを判定し、生成系 AI は文章・画像・音声などの新しいデータを生成する。学習方法やモダリティで分かれるわけではない。
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1.3ニューラルネットワーク
ニューラルネットワーク(学習の仕組み、過学習と対策、転移学習、CNN・RNN・LSTM・VAE・GAN、識別系AIと生成系AI)
概念
ニューラルネットワークは、脳の神経細胞を模した層を重ね、誤差逆伝播法で重みを調整して学習します。層を深くしたものが深層学習(ディープラーニング)です。過学習(学習データに合いすぎて新しいデータに弱い)にはデータの追加・ドロップアウト・正則化などで対処します。転移学習は学習済みのモデルを別のタスクに再利用します。CNN は画像、RNN・LSTM は時系列や文章、VAE・GAN は画像などの生成に使われます。識別系 AI は分類・判定、生成系 AI は新しいデータを作ります。
仕組み・手順
- 画像のタスクなら CNN、系列データなら RNN・LSTM(近年は Transformer)
- データが少ないときは転移学習で学習済みモデルを活用する
- 学習と検証の誤差の差を見て、過学習を確認する
業務での例
製品の外観検査で、少ない不良品の画像でも、画像分類の学習済みモデルを転移学習して高い精度を出す。
紛らわしい点・試験の注意
- LSTM は RNN の長期の依存関係を学びにくい問題を改善したもの
- GAN は生成器と識別器を競わせて学習する
- 過学習は「学習データでの性能が高く、テストデータで低い」状態
ミニクイズ
Q1. ニューラルネットワークの学習で、出力と正解の差を出力層から入力層の方向へ伝え、各層の重みを調整する方法はどれか。
- 正則化(ウェイトディケイ)
- 誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)
- 確率的勾配降下法(ミニバッチ学習)
- 順伝播(フォワードプロパゲーション)
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正解:B 誤差逆伝播法(バックプロパゲーション)
誤差逆伝播法は損失関数の勾配を出力側から順に計算し、勾配降下法で重みを更新する。ドロップアウトとアーリーストッピングは過学習の対策。
Q2. ニューラルネットワークで、各ノードの入力の合計を変換して次の層に渡す関数を何と呼ぶか。
- 活性化関数
- 損失関数
- 報酬関数
- 目的変数
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正解:A 活性化関数
活性化関数(シグモイド・ReLU など)は非線形な変換を加え、複雑な関係を表現できるようにする。損失関数は予測と正解の差を測る。
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1.4AI の歴史
AIの歴史(ダートマス会議から第三次AIブーム、生成AI、シンギュラリティ)
概念
1956 年のダートマス会議で「人工知能」という言葉が使われ、第一次 AI ブーム(探索と推論)、第二次 AI ブーム(知識とエキスパートシステム)、第三次 AI ブーム(機械学習・深層学習とビッグデータ)と発展しました。2010 年代の深層学習の成功の後、2017 年の Transformer、2022 年の ChatGPT で生成 AI が広く普及しました。シンギュラリティ(技術的特異点)は AI が人の知能を超え、社会が予測できないほど変わる時点を指す概念です。
仕組み・手順
- 各ブームの中心の技術と、限界(冬の時代の理由)を整理する
- 第三次ブームの要因(データ・計算資源・アルゴリズム)を押さえる
- 生成 AI の転機(Transformer・ChatGPT)を押さえる
業務での例
研修で「なぜ今 AI が使えるようになったか」を、データの増加・GPU の発展・深層学習の 3 点で説明する。
紛らわしい点・試験の注意
- 第二次ブームの限界は、知識を人が書き込む手間(知識獲得のボトルネック)
- ダートマス会議は 1956 年
- シンギュラリティは予測・概念であり、既に起きた出来事ではない
ミニクイズ
Q1. 1956 年に開かれ、「人工知能(Artificial Intelligence)」という言葉が初めて使われたとされる会議はどれか。
- アシロマ会議
- NeurIPS
- G7 広島サミット
- ダートマス会議
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正解:D ダートマス会議
ダートマス会議が AI 研究の始まりとされ、その後の第一次 AI ブームにつながった。
Q2. 第二次 AI ブームが下火になった主な理由として最も適切なものはどれか。
- 画像を大量に集める手段がなく、ディープラーニングの学習ができなかったためと考えられている
- 生成 AI がもっともらしい誤りを出力し、社会的な批判が大きかったため
- 専門家の知識を人がルールとして書き込む手間が大きく、例外への対応も難しかったため
- 半導体が高価で、探索と推論のプログラムをまったく実行できなかったため
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正解:C 専門家の知識を人がルールとして書き込む手間が大きく、例外への対応も難しかったため
エキスパートシステムは知識の獲得と保守がボトルネックになった(知識獲得のボトルネック)。
参考リンク
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