AI-300 · LESSON 3
GenAIOps インフラストラクチャの設計と実装20–25% · 3項目
Microsoft Foundry の環境とプラットフォームの構成、基盤モデルのデプロイと管理、プロンプトのソース管理による版管理といった、生成 AI の運用基盤を学びます。
3.1Foundry の環境とプラットフォームを構成する
Implement Foundry environments and platform configuration
概念
Microsoft Foundry(旧 Azure AI Foundry)は、モデル・エージェント・評価・監視をまとめて扱う生成 AI のプラットフォームです。Foundry リソースの下にプロジェクトを作り、チームや用途ごとに分けます。外部のサービス(Azure AI Search・Storage など)には接続(Connections)で安全につなぎます。
仕組み・手順
- 開発・テスト・本番で Foundry リソースやプロジェクトを分ける
- マネージド ID とキーなしの認証(Microsoft Entra ID)で、接続先のサービスにアクセスする
- プライベートエンドポイントと公衆ネットワークのアクセスの無効化で閉域化する
- RBAC(Azure AI User・Azure AI Project Manager など)で権限を最小にする
- Bicep などの IaC で環境を再現可能にする
業務での例
本番のプロジェクトはプライベートエンドポイントからだけ使えるようにし、アプリはマネージド ID で Foundry と AI Search に接続して API キーを使わない。
紛らわしい点・試験の注意
- API キーより Microsoft Entra ID(マネージド ID)の方が推奨される
- 接続は資格情報を各コードに書かずに共有するための仕組み
- ハブベースのプロジェクトと Foundry プロジェクトの違いに注意(新しい構成は Foundry プロジェクト)
ミニクイズ
Q1. Foundry のプロジェクトから他の Azure リソースへ、キーを使わずアクセスさせたい。適切な構成はどれか。
- サービスプリンシパルのシークレットを接続に登録する
- 接続にアクセスキーを保存し、Key Vault で管理する
- 管理者の Entra ID アカウントで接続を作成して共用する
- マネージド ID を使い、RBAC で必要なロールを付与する
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正解:D マネージド ID を使い、RBAC で必要なロールを付与する
マネージド ID と RBAC でキーレスかつ最小権限のアクセスを実現する。 【他の選択肢】Key Vault でもキーは使っている。シークレットは期限と漏えいの管理が必要。管理者の個人アカウントの共用は不適切である。
Q2. Foundry の環境を開発・本番で同一構成に保ち、レビュー可能にしたい。適切な方法はどれか。
- Bicep テンプレートと Azure CLI でインフラを定義・展開する
- ARM テンプレートをポータルからエクスポートし、都度手で修正する
- 開発環境のリソースを本番用のリソースグループにそのまま移動する
- ポータルで本番を作り、開発環境と設定を目視で比較する
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正解:A Bicep テンプレートと Azure CLI でインフラを定義・展開する
IaC で構成をコード化すれば差異をなくせる。 【他の選択肢】移動では開発環境がなくなる。目視の比較はレビュー可能な定義にならない。エクスポートの手修正は再現性に欠ける。
参考リンク
3.2本番ワークロード向けに基盤モデルをデプロイ・管理する
Deploy and manage foundation models for production workloads
概念
Foundry のモデルは、デプロイの種類によって料金・データの処理場所・容量の保証が異なります。Standard(リージョン内の従量課金)、Global Standard(世界のデータセンターで処理し高いクォータ)、Data Zone(米国・EU などのゾーン内で処理)、Provisioned(PTU で容量を予約し安定したレイテンシ)、Batch(非同期で安価)があります。
仕組み・手順
- データの所在の要件を確認し、Standard・Data Zone・Global のどれを使うか決める
- トラフィックの量と安定性の要件から、従量課金か Provisioned(PTU)かを選ぶ
- TPM(1 分あたりのトークン)のクォータとレート制限(429)を確認し、再試行を実装する
- モデルの版の自動更新の設定と、提供終了(リタイア)の日程を管理する
- API Management をゲートウェイにして、負荷分散・トークンの制限・ログを一元化する
業務での例
EU の顧客データを扱うチャットは Data Zone(EU)のデプロイ、夜間の大量の要約は Batch、ピークが読めるコールセンターの支援は Provisioned を使う。
紛らわしい点・試験の注意
- Global は最も高いクォータだが、データの処理場所がリージョンに限られない
- Provisioned は容量の予約で、使わなくても課金される
- 429 エラーは容量不足のサイン。再試行(指数バックオフ)・別のデプロイへの振り分け・PTU を検討
ミニクイズ
Q1. 試行段階で、インフラ管理なしに従量課金で基盤モデルを使い始めたい。適切なデプロイ方法はどれか。
- プロビジョニング済みスループット(PTU)
- Kubernetes のオンラインエンドポイント
- サーバーレス API エンドポイント
- マネージドコンピューティングへのデプロイ
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正解:C サーバーレス API エンドポイント
サーバーレス API はインフラ管理不要で、使った分だけ課金される。 【他の選択肢】マネージドコンピューティングや Kubernetes は VM やクラスターの管理と常時の費用が伴う。PTU は容量を確保する固定費で、試行段階に向かない。
Q2. 全社展開した Q&A で、大量かつ安定したスループットと予測可能な性能が必要になった。検討すべきものはどれか。
- サーバーレス API(従量課金)のデプロイ
- 標準(従量課金)のデプロイで、スループットの上限の引き上げを申請する
- スループットの上限が高いグローバルバッチのデプロイ
- プロビジョニング済みスループット(PTU)
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正解:D プロビジョニング済みスループット(PTU)
PTU は容量を確保し、高負荷時も安定した性能を得るための選択肢。 【他の選択肢】グローバルバッチは非同期の処理向けで、対話の Q&A に合わない。従量課金は混雑の影響を受け、性能が予測しにくい。上限の引き上げでも予約された容量にはならない。
参考リンク
3.3ソース管理でプロンプトの版管理を実装する
Implement prompt versioning and management with source control
概念
プロンプトはアプリの振る舞いを決める「コード」と同じなので、Git で版管理し、変更をレビュー・評価してからリリースします。Prompty ファイル(プロンプトとモデルの設定を 1 つにまとめる形式)やテンプレートとしてリポジトリに置き、評価のパイプラインと組み合わせます。
仕組み・手順
- プロンプトとモデルのパラメータを Prompty などのファイルにしてリポジトリで管理する
- 変更はプルリクエストで提出し、レビューを受ける
- CI で評価データセットに対する自動評価を実行し、基準を下回れば不合格にする
- 合格した版をタグ付けし、本番の環境にデプロイする
- 本番で使っているプロンプトの版をトレースに記録する
業務での例
システムメッセージに 1 行追加する変更でも、GitHub Actions で 200 件の評価データの groundedness と relevance を測り、前の版より下がらないことを確認してからマージする。
紛らわしい点・試験の注意
- ポータルで直接プロンプトを書き換えると、どの版で何が変わったか追跡できない
- プロンプトの変更も回帰テスト(評価)の対象
- シークレットやキーをプロンプトのファイルに含めない
ミニクイズ
Q1. 本番で使うモデルのバージョンが予告なく変わり、出力傾向が変化した。予防策として適切なものはどれか。
- 自動アップデートを有効にし、新しいバージョンの公開を通知で知る
- モデルのバージョンを明示的に管理し、更新は評価後に段階展開する
- 出力が変わったら、プロンプトを修正して以前の傾向に合わせる
- 新しいバージョンが出たら、評価せずに全量を切り替える
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正解:B モデルのバージョンを明示的に管理し、更新は評価後に段階展開する
バージョン固定と評価済みの段階展開で、予期しない変化を防ぐ。 【他の選択肢】自動更新は予告なしの変化を防げない。後追いのプロンプト修正は予防策ではない。評価なしの切り替えは同じ問題を起こす。
Q2. モデルの廃止(リタイア)予定日が近づいていることに、確実に気づきたい。最も適切な運用はどれか。
- 廃止日の後にエラーが出てから、別のモデルへの切り替えを検討する
- モデルのライフサイクルの情報と通知を確認し、切り替えの計画を立てておく
- 自動アップデートを有効にしておけば、どのデプロイも評価なしで新しい版へ移行できる
- 廃止を避けるため、同じバージョンのモデルを再デプロイし続ける
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正解:B モデルのライフサイクルの情報と通知を確認し、切り替えの計画を立てておく
モデルには廃止日がある。公開される予定と通知を確認し、評価と切り替えを前もって計画する。 【他の選択肢】エラーが出てからでは業務が止まる。再デプロイしても廃止日は変わらない。自動アップデートでも評価と計画は必要で、全てのデプロイに当てはまるわけではない。
参考リンク
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