AI-300 · LESSON 4
生成 AI の品質保証と可観測性の実装10–15% · 2項目
生成 AI アプリとエージェントの評価(品質・安全性)と、トレースによる可観測性を学びます。
4.1生成 AI アプリとエージェントの評価と検証を構成する
Configure evaluation and validation for generative AI applications and agents
概念
評価は、出力の品質と安全性を指標で測ることです。Foundry には組み込みの評価器があり、AI 支援の品質指標(groundedness・relevance・coherence・fluency)、正解との比較の指標(F1・BLEU・ROUGE・similarity)、安全性の指標(暴力・自傷・ヘイト・性的・保護素材・間接攻撃)、エージェントの指標(intent resolution・tool call accuracy・task adherence)があります。
仕組み・手順
- 代表的な質問と期待する回答を含む評価データセットを作る
- 用途に合う評価器を選ぶ(RAG なら groundedness と relevance、エージェントならツール呼び出しの正確さなど)
- クラウドまたは SDK で評価を実行し、結果を前の版と比べる
- AI Red Teaming Agent などで敵対的なテストを行い、安全性を確認する
- 評価をリリース前のゲートとして CI/CD に組み込む
業務での例
社内規程の Q&A ボットで、groundedness が 4.0 未満の回答を洗い出し、検索の設定とシステムメッセージを直してから再評価する。
紛らわしい点・試験の注意
- groundedness は「根拠(コンテキスト)に基づいているか」、relevance は「質問に答えているか」
- 正解との比較の指標(F1 など)には正解(ground truth)が必要
- 人の評価も組み合わせ、AI 支援の評価の妥当性を確かめる
ミニクイズ
Q1. 生成 AI アプリの評価を始めるにあたり、最初に用意すべきものはどれか。
- 評価に使う GPU のコンピューティングクラスターと、そのクォータの申請
- 評価結果を表示するダッシュボードの画面デザインと、配色の案
- 本番の会話ログを全件エクスポートした、個人情報を含んだままの JSONL データセット
- 質問・文脈・期待回答などを含むテストデータセットと、評価器への列の対応付け
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正解:D 質問・文脈・期待回答などを含むテストデータセットと、評価器への列の対応付け
評価はテストデータと、各列を評価器の入力に対応付けるマッピングから始まる。 【他の選択肢】個人情報を含むままの本番ログは不適切。評価器はクラスターを用意しなくても実行できる。画面デザインは評価の前提ではない。
Q2. 回答が「提供した文脈に支えられているか」を測る指標はどれか。
- 類似度(similarity)の指標
- 関連性(relevance)
- 根拠性(groundedness)
- 流暢性(fluency)
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正解:C 根拠性(groundedness)
根拠性は回答が与えられた文脈に基づいているかを測る。 【他の選択肢】関連性は質問への適合、流暢性は文章の自然さ、類似度は期待回答との近さで、文脈に支えられているかは測らない。
参考リンク
4.2生成 AI アプリとエージェントの可観測性を実装する
Implement observability for generative AI applications and agents
概念
可観測性は、本番でアプリやエージェントの内部で何が起きたかを追えるようにすることです。OpenTelemetry に基づくトレースで、プロンプト・応答・ツールの呼び出し・トークン数・レイテンシを記録し、Application Insights に送ります。継続的な評価で、本番のトラフィックのサンプルを定期的に評価できます。
仕組み・手順
- プロジェクトに Application Insights を接続する
- SDK でトレースを有効にし、各スパン(モデル呼び出し・検索・ツール)を記録する
- ダッシュボードでトークン使用量・レイテンシ・エラー率を監視する
- 継続的な評価やアラートを設定し、品質の低下を検知する
- ログに個人情報を残しすぎないよう、記録する内容を調整する
業務での例
エージェントの応答が遅いという苦情に対し、トレースでツールの呼び出しの 1 つが 8 秒かかっていることを特定し、その API にキャッシュを入れる。
紛らわしい点・試験の注意
- トレースはリクエスト単位の詳細、メトリックは集計値。目的が異なる
- プロンプトや応答の内容の記録はプライバシーの方針に従って制御する
- 評価(リリース前)と監視(リリース後)は両方必要
ミニクイズ
Q1. 本番の生成 AI アプリで、応答が遅い原因を特定したい。最も役立つものはどれか。
- エンドポイントの平均応答時間のメトリックと、5 分ごとのアラートの設定
- 1 日あたりのトークン消費量と、デプロイのクォータの使用率
- アプリのエラーログと、利用者からの問い合わせの件数
- 処理ごとのトレース(検索・モデル呼び出し・ツール実行などの時間内訳)
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正解:D 処理ごとのトレース(検索・モデル呼び出し・ツール実行などの時間内訳)
トレースで処理ごとの遅延を分解すれば、ボトルネックを特定できる。 【他の選択肢】平均応答時間ではどの処理が遅いか分からない。トークン量やクォータは原因の候補だが内訳を示さない。エラーログは遅延の内訳ではない。
Q2. 生成 AI の利用コストを部門ごとに管理したい。監視すべき指標はどれか。
- 評価スコアと安全性の検出数
- 要求数と平均応答時間
- トークン消費量とリソース使用量
- デプロイの数と使うモデルの種類
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正解:C トークン消費量とリソース使用量
コストはトークン消費とリソース使用量に強く連動する。 【他の選択肢】要求数や応答時間はコストに比例しない。評価スコアは品質の指標。デプロイの数はコストの内訳を示さない。
参考リンク
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