CLF-C02 · LESSON 2
セキュリティとコンプライアンス30% · 4項目
AWS の責任共有モデル、セキュリティ・ガバナンス・コンプライアンスの考え方、アクセス管理、セキュリティのサービスを学びます。
2.1AWS の責任共有モデルを理解する
2.1 Understand the AWS shared responsibility model.
概念
責任共有モデルでは、AWS は「クラウドのセキュリティ」(データセンター・ハードウェア・ネットワーク・仮想化の基盤)、利用者は「クラウドにおけるセキュリティ」(データ・IAM・OS の更新・セキュリティグループ・暗号化の設定)に責任を持ちます。サービスが抽象化される(EC2 → RDS → Lambda・S3)ほど、利用者の責任は小さくなります。
仕組み・手順
- 使うサービスの種類(IaaS 型か、マネージドか、サーバーレスか)を確認する
- OS・ミドルウェアのパッチの責任がどちらにあるかを確認する
- データの暗号化・アクセス権限は常に利用者の責任として設定する
- AWS Artifact で AWS 側の監査報告書を入手する
業務での例
EC2 では利用者がゲスト OS のパッチを当てるが、RDS では DB エンジンのパッチは AWS が適用し、利用者はメンテナンスの時間帯を設定する。
紛らわしい点・試験の注意
- 物理的なセキュリティは常に AWS の責任
- データの暗号化、IAM の設定は常に利用者の責任
- 「共有の管理」:パッチ管理・構成管理・教育は両者がそれぞれの範囲で担う
ミニクイズ
Q1. 責任共有モデルにおいて、どのサービスを使っても常に利用者の責任となるものはどれか。
- EC2 の物理ホストで動くハイパーバイザー(仮想化ソフトウェア)の更新
- リージョン間を結ぶ通信回線の冗長化
- データセンター内のネットワーク機器の保守
- 保存するデータの分類と、誰がアクセスできるかの管理
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正解:D 保存するデータの分類と、誰がアクセスできるかの管理
データとそのアクセス権は、IaaS でもマネージドサービスでも利用者の責任。仮想化基盤や物理ネットワークは AWS の責任。
Q2. 「クラウドのセキュリティ」と「クラウドにおけるセキュリティ」の説明として最も適切なものはどれか。
- 前者はオンプレミス、後者はクラウドのセキュリティを指し、責任の分担は同じである
- 前者は無料、後者は有料のセキュリティサービスを指す
- 前者は AWS が担うインフラの保護、後者は利用者が担うデータや設定の保護
- 前者は利用者が担う OS の保護、後者は AWS が担う物理施設の保護
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正解:C 前者は AWS が担うインフラの保護、後者は利用者が担うデータや設定の保護
AWS はクラウドのセキュリティ(インフラ)を、利用者はクラウドにおけるセキュリティ(データ・設定・アクセス権)を担う。
参考リンク
2.2セキュリティ・ガバナンス・コンプライアンスの概念を理解する
2.2 Understand AWS Cloud security, governance, and compliance concepts.
概念
コンプライアンスの証明には AWS Artifact(SOC・ISO などの報告書と契約)、構成の記録と評価には AWS Config、API 操作の記録には AWS CloudTrail、複数アカウントの統制には AWS Organizations の SCP や AWS Control Tower を使います。暗号化は AWS KMS(鍵の管理)で行い、保存時・転送時の暗号化を設定します。
仕組み・手順
- 必要な規制・基準(個人情報・業界の基準)を確認する
- AWS Artifact で該当する報告書を入手する
- CloudTrail で全リージョンの操作を記録し、Config でルール違反を検出する
- Organizations と SCP でアカウント全体の禁止事項を設定する
業務での例
監査で「誰がいつセキュリティグループを変更したか」を問われ、CloudTrail のログで操作者と時刻を示し、Config で現在の設定がルールに準拠していることを示す。
紛らわしい点・試験の注意
- CloudTrail は「誰が何をしたか(API の操作)」、Config は「リソースの設定がどう変わったか」
- CloudWatch は性能の監視とログ、監査の記録は CloudTrail
- Artifact は報告書の入手で、セキュリティの監視ではない
ミニクイズ
Q1. Amazon S3 に保存した顧客名簿が、誤った設定で外部から閲覧可能になっていた。責任共有モデルに照らした説明として最も適切なものはどれか。
- S3 はマネージドサービスのため、バケットの公開設定の誤りは AWS の責任となる
- S3 のデータは自動で暗号化されるため、公開されても情報漏えいにはならない
- 公開設定は AWS が定期的に自動で修正するため、利用者の対応は不要である
- バケットのアクセス設定は利用者の責任であり、利用者が設定を見直す必要がある
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正解:D バケットのアクセス設定は利用者の責任であり、利用者が設定を見直す必要がある
マネージドサービスでも、データへのアクセス権の設定は利用者の責任。S3 のブロックパブリックアクセスなどの機能を使って利用者が防ぐ。
Q2. 金融業界の取引先から「AWS が取得している第三者認証の証跡」を求められた。最も適切な入手方法はどれか。
- AWS CloudTrail のログを取引先に共有する
- AWS サポートにデータセンターの見学を申し込み、設備の写真を撮影して提出する
- AWS Artifact から該当するコンプライアンスレポートをダウンロードする
- AWS Config のルールを有効にして、評価結果を提出する
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正解:C AWS Artifact から該当するコンプライアンスレポートをダウンロードする
AWS 自身の監査レポートや認証は AWS Artifact で入手する。Config や CloudTrail は利用者の環境の記録であり、AWS の認証の証跡ではない。
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2.3AWS のアクセス管理の機能を理解する
2.3 Identify AWS access management capabilities.
概念
AWS Identity and Access Management(IAM)で、ユーザー・グループ・ロール・ポリシーを使ってアクセスを管理します。ルートユーザーは日常の作業に使わず、MFA を設定して保護します。複数アカウントの人のアクセスは IAM Identity Center で一元化し、アプリやサービスには長期の鍵ではなく IAM ロール(一時的な認証情報)を使います。
仕組み・手順
- ルートユーザーに MFA を設定し、アクセスキーを作らない
- 人のアクセスは IAM Identity Center で管理し、グループに権限を付ける
- 最小権限の原則でポリシーを設計する
- EC2 や Lambda には IAM ロールを付けて、アクセスキーをコードに埋め込まない
業務での例
EC2 上のアプリが S3 を読むために、アクセスキーを設定ファイルに書く代わりに、S3 の読み取りだけを許可した IAM ロールをインスタンスに付ける。
紛らわしい点・試験の注意
- ルートユーザーでしかできない作業(アカウントの解約・サポートプランの変更など)がある
- IAM ロールは一時的な認証情報。長期のアクセスキーより安全
- グループにはロールのように「引き受ける」仕組みはない(権限をまとめるだけ)
ミニクイズ
Q1. ルートユーザーの MFA 未設定や、公開された S3 バケットなどを、ベストプラクティスに照らして点検し、推奨事項を示すサービスはどれか。
- AWS Config
- AWS CloudTrail
- AWS Trusted Advisor
- Amazon Inspector
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正解:C AWS Trusted Advisor
Trusted Advisor はアカウントを点検し、コスト最適化・セキュリティ・耐障害性・パフォーマンス・サービスクォータなどの推奨事項を示す。例えば、MFA 未設定のルートユーザーや公開された S3 バケットを指摘する。 【他の選択肢】Config はリソースの設定の変更を記録してルールで評価する。Inspector は EC2 やコンテナの脆弱性を調べる。CloudTrail は API の呼び出しを記録する。
Q2. AWS アカウントを作成した直後に、ルートユーザーについて行うべき対策として最も適切なものはどれか。
- MFA を設定し、日常の作業には使わず、管理用の別の ID を用意する
- ルートユーザーのパスワードを部署内で共有し、誰でも緊急対応できるようにする
- ルートユーザーを削除して、アカウントの乗っ取りを防ぐ
- ルートユーザーのアクセスキーを作成し、自動化スクリプトに設定する
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正解:A MFA を設定し、日常の作業には使わず、管理用の別の ID を用意する
ルートユーザーはすべての権限を持つため、MFA で保護し、日常作業では使わない。アクセスキーの作成や共有は避ける。ルートユーザーは削除できない。
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2.4セキュリティのコンポーネントとリソースを理解する
2.4 Identify components and resources for security.
概念
主なセキュリティのサービス:AWS WAF(Web アプリへの攻撃の防御)、AWS Shield(DDoS の防御。Standard は無料で自動)、Amazon GuardDuty(ログを分析する脅威の検出)、Amazon Inspector(脆弱性の自動スキャン)、AWS Security Hub(セキュリティの状況の集約)、Amazon Macie(S3 の機密データの検出)、AWS Secrets Manager(認証情報の管理とローテーション)。ネットワークではセキュリティグループ(ステートフル)とネットワーク ACL(ステートレス)を使います。
仕組み・手順
- 公開する Web アプリの前に WAF と Shield を置く
- GuardDuty を有効にして不審な通信や操作を検出する
- Inspector で EC2・コンテナの脆弱性をスキャンする
- Security Hub で結果を集約し、優先度の高いものから対応する
業務での例
GuardDuty が、EC2 から既知の暗号資産マイニングのサーバーへの通信を検出し、Security Hub に集約されたアラートから担当者がインスタンスを隔離する。
紛らわしい点・試験の注意
- GuardDuty は脅威の検出、Inspector は脆弱性の検査、Macie は機密データの検出
- セキュリティグループは許可のみ・ステートフル、ネットワーク ACL は拒否も可・ステートレス
- Shield Advanced は有料で、DDoS 対応チームの支援などが付く
ミニクイズ
Q1. Amazon EC2 を利用する場合に、利用者の責任ではないものはどれか。
- インスタンスにインストールしたアプリケーションの更新
- インスタンスが稼働する物理ホストの廃棄とデータ消去
- セキュリティグループで許可するポートの設定
- OS のユーザーアカウントとパスワードの管理
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正解:B インスタンスが稼働する物理ホストの廃棄とデータ消去
物理ホストやストレージ機器の廃棄・消去は AWS の責任。セキュリティグループ、アプリケーション、OS のアカウントは利用者が管理する。
Q2. Amazon VPC 内のセキュリティを強化したい。インスタンス単位で許可する通信を指定する機能はどれか。
- AWS WAF
- セキュリティグループ
- ネットワーク ACL
- ルートテーブル
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正解:B セキュリティグループ
セキュリティグループはインスタンス(ENI)単位の仮想ファイアウォールで、ステートフル。ネットワーク ACL はサブネット単位でステートレス。 【他の選択肢】ネットワーク ACL はサブネット単位でステートレス。ルートテーブルは経路の制御。WAF は HTTP の攻撃を防ぐもので、インスタンス単位の通信の許可ではない。
参考リンク
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