中小企業診断士 · LESSON 1

経済学・経済政策各科目同配点・本站では均等抽出 · 11項目

需要と供給、弾力性、機会費用、限界的な判断を区別します。価格の変化で需要曲線上を移動する場合と、所得や代替財の価格等で曲線自体が動く場合を分けます。マクロでは名目・実質、物価・生産、民間と政府の役割を整理します。外部性は当事者以外への影響を価格だけでは扱えない例です。

1.1経済学・経済政策

概念

需要と供給、弾力性、機会費用、限界的な判断を区別します。価格の変化で需要曲線上を移動する場合と、所得や代替財の価格等で曲線自体が動く場合を分けます。マクロでは名目・実質、物価・生産、民間と政府の役割を整理します。外部性は当事者以外への影響を価格だけでは扱えない例です。

仕組み・手順

  1. 需要量の変化率を価格の変化率で割る。絶対値は20÷10=2。
  2. 他の条件が同じなら、代替財の値上がりで相対的に選ばれやすくなる。
  3. 選ばなかった最良の代替案から得られた価値が機会費用になる。

業務での例

値上げ案では数量の反応を見積もり、売上と利益の両方を比較します。需要が伸びるという予想だけで設備投資を決めません。

紛らわしい点・試験の注意

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1.2需要・供給と市場均衡

概念

需要曲線は価格と需要量の関係を、他の条件を固定して表します。所得・嗜好の変化は曲線を移動させます。需要量と供給量が一致する均衡は、両式を連立して求めます。上限価格は均衡より低く設定されたときに不足を生みます。

仕組み・手順

  1. 120−2P=20+3Pより100=5P、P=20。数量は両式とも80。
  2. 正常財は所得増加により同一価格での需要が増す。自身の価格変化による曲線上の移動とは異なる。
  3. 需要120−30=90、供給20+45=65。超過需要は90−65=25。

業務での例

需要Q=120−2P、供給Q=20+3Pなら、P=20、Q=80。価格上限15なら需要90・供給65で不足25です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 需要Q=120−2P、供給Q=20+3P。均衡価格は?

  1. 20
  2. 16
  3. 24
  4. 40
答えと解説を見る

正解:A 20

120−2P=20+3Pより100=5P、P=20。数量は両式とも80。

Q2. 正常財で所得だけが増加した。通常の需要曲線の変化は?

  1. 左方へ移動
  2. 曲線上を左上へ移動
  3. 曲線上を右下へ移動
  4. 右方へ移動
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正解:D 右方へ移動

正常財は所得増加により同一価格での需要が増す。自身の価格変化による曲線上の移動とは異なる。

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1.3弾力性と売上

概念

価格弾力性の絶対値は需要量変化率を価格変化率で割ります。1より大きい場合、小幅の値上げは通常売上を減らします。交差弾力性は代替財で正、補完財で負が基本です。所得弾力性が負なら下級財であり、低品質という意味ではありません。

仕組み・手順

  1. 新売上110×80=8,800、旧売上10,000。差額は−1,200。
  2. 一方の価格上昇で他方の需要が減る補完関係なので、交差弾力性は負。
  3. −5%÷10%=−0.5。所得が増えると需要が減る下級財の例。

業務での例

価格100・数量100から価格110・数量80へ変化すると、売上は10,000から8,800へ減少します。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 価格100→110、需要量100→80。売上の変化額は?

  1. +1,000
  2. −800
  3. −1,200
  4. −2,000
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正解:C −1,200

新売上110×80=8,800、旧売上10,000。差額は−1,200。

Q2. 他の条件一定で、プリンター価格の上昇により専用インク需要が減少した。交差弾力性は?

  1. 必ず1
  2. 負
  3. 正
  4. ゼロ
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正解:B 負

一方の価格上昇で他方の需要が減る補完関係なので、交差弾力性は負。

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1.4消費者行動と予算制約

概念

予算線PxX+PyY=Iは購入可能な組合せを示します。無差別曲線は同じ効用の組合せです。通常の内点解では限界代替率が価格比に一致します。所得効果と代替効果を分けると、価格変化への反応を整理できます。

仕組み・手順

  1. 予算制約より1,200÷300=4。6はYだけを買う場合。
  2. 価格比が同じなので傾きは不変。両切片が大きくなる。
  3. MUx/MUy=Px/Py。1円当たり限界効用が両財で一致する条件。

業務での例

所得1,200、X価格300なら、Yを買わないときのX切片は4単位です。所得増だけなら予算線は平行に外側へ動きます。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 所得1,200、X価格300、Y価格200。Xのみ購入する場合の最大数量は?

  1. 2
  2. 4
  3. 6
  4. 3
答えと解説を見る

正解:B 4

予算制約より1,200÷300=4。6はYだけを買う場合。

Q2. 両財の価格一定で所得のみ増加。予算線はどうなる?

  1. 外側へ平行移動
  2. 傾きだけが急になる
  3. 傾きだけが緩くなる
  4. 原点へ平行移動
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正解:A 外側へ平行移動

価格比が同じなので傾きは不変。両切片が大きくなる。

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1.5生産費用と利潤最大化

概念

短期には固定費と変動費を区別し、限界費用は生産を1単位増やす費用です。完全競争企業は操業するなら価格と限界費用を比較します。短期の操業停止は平均可変費用、長期の退出は総費用の回収可能性を考えます。

仕組み・手順

  1. TCをQで微分する。固定費100は限界費用に含まれない。
  2. P=MCから12=4+2Q、Q=4。操業条件も別途確認する。
  3. 1単位当たり8−6=2が固定費回収に寄与。損失でも停止より有利な場合がある。

業務での例

価格8、平均可変費用6、平均総費用10なら、固定費を一部回収できるため短期操業の余地があります。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 総費用TC=100+4Q+Q²。限界費用MCは?

  1. 100/Q+4+Q
  2. 4+2Q
  3. 100+4Q
  4. 4+Q
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正解:B 4+2Q

TCをQで微分する。固定費100は限界費用に含まれない。

Q2. 完全競争で価格12、MC=4+2Q。内点の利潤最大化数量は?

  1. 4
  2. 6
  3. 8
  4. 2
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正解:A 4

P=MCから12=4+2Q、Q=4。操業条件も別途確認する。

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1.6市場構造とゲーム理論

概念

完全競争では個別企業は価格受容者です。独占は需要曲線を踏まえてMR=MCで数量を選び、需要曲線から価格を求めます。寡占では相手の反応が重要です。ナッシュ均衡は相手の戦略を所与として自分だけ変更する誘因がない組合せです。

仕組み・手順

  1. MR=100−2Q=20からQ=40。需要式へ戻すとP=60。
  2. 各人が相手の戦略への最適反応を選ぶ。全体最適や同一行動を必要としない。
  3. 個別企業は価格受容者。市場全体の需要曲線が水平という意味ではない。

業務での例

P=100−Qなら総収入100Q−Q²、MR=100−2Q。MC=20ならQ=40、P=60です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 独占でP=100−Q、MC=20。利潤最大化価格は?

  1. 20
  2. 80
  3. 60
  4. 40
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正解:C 60

MR=100−2Q=20からQ=40。需要式へ戻すとP=60。

Q2. ナッシュ均衡を表す条件は?

  1. 強調している企業が価格を決める
  2. 単独で戦略を変えても改善しない
  3. 全員の利益合計が最大になる
  4. 全員が同じ戦略を採用している
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正解:B 単独で戦略を変えても改善しない

各人が相手の戦略への最適反応を選ぶ。全体最適や同一行動を必要としない。

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1.7余剰・税・市場の失敗

概念

消費者余剰は支払意思額と価格の差、生産者余剰は価格と供給に必要な費用の差です。課税は買い手価格と売り手受取額の間に楔を作り、取引減少による死荷重を生じ得ます。外部性や公共財では私的な判断と社会的な最適が一致しないことがあります。

仕組み・手順

  1. 需要曲線と価格線の間の三角形の面積。底辺40×高さ40÷2=800。
  2. 社会的限界費用=私的限界費用+外部限界費用。第三者への損害が私的費用から漏れている。
  3. 他者の利用が自分の利用を減らさず、対価を払わない人を排除しにくい。フリーライダー問題に結び付く。

業務での例

需要切片100、均衡価格60、数量40の線形需要なら消費者余剰は(100−60)×40÷2=800です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 線形需要の価格切片100、価格60、数量40。消費者余剰は?

  1. 1,600
  2. 2,400
  3. 4,000
  4. 800
答えと解説を見る

正解:D 800

需要曲線と価格線の間の三角形の面積。底辺40×高さ40÷2=800。

Q2. 排煙による負の外部性がある。私的限界費用と社会的限界費用の関係は?

  1. 両者は定義上等しい
  2. 社会的費用は需要で決まる
  3. 社会的費用の方が大きい
  4. 私的費用の方が大きい
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正解:C 社会的費用の方が大きい

社会的限界費用=私的限界費用+外部限界費用。第三者への損害が私的費用から漏れている。

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1.8GDP・物価・失業

概念

GDPは国内で一定期間に生まれた付加価値を集計し、中間投入の二重計上を避けます。名目値は当期価格、実質値は価格変化を除いた数量面を捉えます。失業率の分母は人口全体ではなく労働力人口です。

仕組み・手順

  1. 名目÷実質×100=550÷500×100=110。
  2. 労働力人口は95+5=100。失業率5÷100=5%。非労働力人口は分母に入れない。
  3. 付加価値=産出額−中間投入額。300−180=120で中間財の二重計上を避ける。

業務での例

名目GDP550、実質GDP500ならデフレーターは110。失業者5・就業者95なら失業率5%です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 名目GDP550、実質GDP500。GDPデフレーターは?

  1. 50
  2. 105
  3. 110
  4. 90.9
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正解:C 110

名目÷実質×100=550÷500×100=110。

Q2. 就業者95人、失業者5人、非労働力人口25人。失業率は?

  1. 5.3%
  2. 5%
  3. 4%
  4. 20%
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正解:B 5%

労働力人口は95+5=100。失業率5÷100=5%。非労働力人口は分母に入れない。

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1.9財市場・乗数とIS–LM

概念

単純な閉鎖経済で租税を無視するとY=C0+cY+I+G。政府支出乗数は1/(1−c)です。税・輸入・金利変化を含めれば結果は変わります。ISは財市場、LMは貨幣市場の均衡を表し、財政拡張は利子率上昇を通じて民間投資を抑える場合があります。

仕組み・手順

  1. 1/(1−0.8)=5。平均消費性向ではなく限界消費性向を使う。
  2. Y=100+0.75Yより0.25Y=100、Y=400。
  3. 財市場需要の拡大で貨幣需要が増し、一定貨幣供給下では利子率上昇が投資を抑え得る。

業務での例

限界消費性向0.75、政府支出増20なら、単純乗数4により所得増80です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 税・輸入なし、限界消費性向0.8。政府支出乗数は?

  1. 1.25
  2. 0.2
  3. 5
  4. 4
答えと解説を見る

正解:C 5

1/(1−0.8)=5。平均消費性向ではなく限界消費性向を使う。

Q2. 単純モデルでC=50+0.75Y、I=30、G=20。均衡所得は?

  1. 500
  2. 400
  3. 100
  4. 300
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正解:B 400

Y=100+0.75Yより0.25Y=100、Y=400。

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1.10貨幣・金融政策とインフレ

概念

貨幣需要には取引目的や資産保有の動機があり、金利は現金保有の機会費用です。単純な準備率モデルの信用乗数は1/rですが、現金漏出等を無視した値です。実質利子率は概ね名目利子率から期待インフレ率を引きます。

仕組み・手順

  1. フィッシャー関係の近似で4−1=3%。厳密式では1.04/1.01−1。
  2. 1/r=1/0.2=5。実際の貨幣拡大を保証するものではない。
  3. プラスのインフレ率なので水準は上昇。上昇率低下と物価下落は異なる。

業務での例

名目利子率3%、期待インフレ率2%なら近似実質利子率1%。物価上昇率が低下しても正なら物価水準は上がっています。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 名目利子率4%、期待インフレ率1%。近似実質利子率は?

  1. −3%
  2. 3%
  3. 5%
  4. 4%
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正解:B 3%

フィッシャー関係の近似で4−1=3%。厳密式では1.04/1.01−1。

Q2. 現金漏出等を無視し準備率20%。単純な預金乗数は?

  1. 5
  2. 20
  3. 0.2
  4. 4
答えと解説を見る

正解:A 5

1/r=1/0.2=5。実際の貨幣拡大を保証するものではない。

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1.11比較優位・為替・国際収支

概念

比較優位は絶対的な生産性ではなく機会費用で判断します。為替は円/ドルなど表示方向を先に確認します。国際収支では財・サービス、所得等の経常取引と金融取引を分け、貿易収支だけで経常収支全体を判断しません。

仕組み・手順

  1. 布1単位の機会費用はAが米0.5、Bが米1。費用の低いAに比較優位。
  2. 10,000×(150−120)=300,000円。輸入価格のドル額は一定とする。
  3. 投資の利子等は第一次所得収支に入る。資産そのものの取得は金融取引。

業務での例

1ドル150円→120円は円高です。同じ1万ドルの輸入品の円支払は150万円から120万円へ減ります。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. A国は1時間で布4または米2、B国は布3または米3を生産。布に比較優位があるのは?

  1. 総人口が多い国
  2. A国
  3. B国
  4. 両国とも同じ
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正解:B A国

布1単位の機会費用はAが米0.5、Bが米1。費用の低いAに比較優位。

Q2. 1万ドルの輸入。為替が150円/ドルから120円/ドルへ動くと円支払はいくら減る?

  1. 30万円
  2. 20万円
  3. 120万円
  4. 150万円
答えと解説を見る

正解:A 30万円

10,000×(150−120)=300,000円。輸入価格のドル額は一定とする。

参考リンク

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