経済学・経済政策
Economics and economic policy
学習目標
- 各論点の定義・条件を区別し、例題と演習で計算・判断の根拠を説明できる。
要点
- 需要曲線は価格と需要量の関係を、他の条件を固定して表します。所得・嗜好の変化は曲線を移動させます。需要量と供給量が一致する均衡は、両式を連立して求めます。上限価格は均衡より低く設定されたときに不足を生みます。
- 価格弾力性の絶対値は需要量変化率を価格変化率で割ります。1より大きい場合、小幅の値上げは通常売上を減らします。交差弾力性は代替財で正、補完財で負が基本です。所得弾力性が負なら下級財であり、低品質という意味ではありません。
- 予算線PxX+PyY=Iは購入可能な組合せを示します。無差別曲線は同じ効用の組合せです。通常の内点解では限界代替率が価格比に一致します。所得効果と代替効果を分けると、価格変化への反応を整理できます。
- 短期には固定費と変動費を区別し、限界費用は生産を1単位増やす費用です。完全競争企業は操業するなら価格と限界費用を比較します。短期の操業停止は平均可変費用、長期の退出は総費用の回収可能性を考えます。
- 完全競争では個別企業は価格受容者です。独占は需要曲線を踏まえてMR=MCで数量を選び、需要曲線から価格を求めます。寡占では相手の反応が重要です。ナッシュ均衡は相手の戦略を所与として自分だけ変更する誘因がない組合せです。
- 消費者余剰は支払意思額と価格の差、生産者余剰は価格と供給に必要な費用の差です。課税は買い手価格と売り手受取額の間に楔を作り、取引減少による死荷重を生じ得ます。外部性や公共財では私的な判断と社会的な最適が一致しないことがあります。
- GDPは国内で一定期間に生まれた付加価値を集計し、中間投入の二重計上を避けます。名目値は当期価格、実質値は価格変化を除いた数量面を捉えます。失業率の分母は人口全体ではなく労働力人口です。
- 単純な閉鎖経済で租税を無視するとY=C0+cY+I+G。政府支出乗数は1/(1−c)です。税・輸入・金利変化を含めれば結果は変わります。ISは財市場、LMは貨幣市場の均衡を表し、財政拡張は利子率上昇を通じて民間投資を抑える場合があります。
- 貨幣需要には取引目的や資産保有の動機があり、金利は現金保有の機会費用です。単純な準備率モデルの信用乗数は1/rですが、現金漏出等を無視した値です。実質利子率は概ね名目利子率から期待インフレ率を引きます。
- 比較優位は絶対的な生産性ではなく機会費用で判断します。為替は円/ドルなど表示方向を先に確認します。国際収支では財・サービス、所得等の経常取引と金融取引を分け、貿易収支だけで経常収支全体を判断しません。
業務での使いどころ
- 業務で活かす値上げ案では数量の反応を見積もり、売上と利益の両方を比較します。需要が伸びるという予想だけで設備投資を決めません。
学習する主要論点(当サイト編成)
- 需要・供給と市場均衡
- 弾力性と売上
- 消費者行動と予算制約
- 生産費用と利潤最大化
- 市場構造とゲーム理論
- 余剰・税・市場の失敗
- GDP・物価・失業
- 財市場・乗数とIS–LM
- 貨幣・金融政策とインフレ
- 比較優位・為替・国際収支