中小企業診断士 · LESSON 6

経営情報システム各科目同配点・本站では均等抽出 · 11項目

業務要件からシステム・データ・運用を設計します。関係データの重複や更新不整合を減らすために正規化を理解し、権限は役割と必要性に応じて絞ります。バックアップは復元テストまで確認します。SaaS比較では契約料金だけでなく移行・教育・退出費用を考慮します。AI検索は関連性だけでなくアクセス制御も必要です。

6.1経営情報システム

概念

業務要件からシステム・データ・運用を設計します。関係データの重複や更新不整合を減らすために正規化を理解し、権限は役割と必要性に応じて絞ります。バックアップは復元テストまで確認します。SaaS比較では契約料金だけでなく移行・教育・退出費用を考慮します。AI検索は関連性だけでなくアクセス制御も必要です。

仕組み・手順

  1. 正規化は重複や更新時の不整合を減らすために関係を整理する考え方。
  2. 役割と必要性に応じて権限を絞り、異動時などに見直す。
  3. 保存しただけでは復旧を保証できない。復元手順と所要時間を実測する。

業務での例

社内規程RAGを導入するなら、利用者の権限で検索結果を絞り、権限外文書が候補に混ざらないことを試験します。

紛らわしい点・試験の注意

参考リンク

6.2コンピュータ構成・性能と信頼性

概念

CPU・主記憶・補助記憶は役割と速度が異なります。キャッシュは局所性を利用します。可用性はMTBF/(MTBF+MTTR)で、故障しにくさと復旧の速さの両面から改善します。直列・並列の信頼性計算は独立故障等の仮定を明示します。

仕組み・手順

  1. 90/(90+10)=0.9。MTTRは復旧所要時間。
  2. 両方稼働の確率0.9×0.9=0.81。
  3. 両方停止の確率0.1×0.1=0.01を1から引く。

業務での例

MTBF90時間、MTTR10時間なら可用性90%。独立した稼働率0.9の2台が両方必要なら0.81、どちらか1台でよければ0.99です。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. MTBF90時間、MTTR10時間。可用性は?

  1. 81%
  2. 90%
  3. 10%
  4. 99%
答えと解説を見る

正解:B 90%

90/(90+10)=0.9。MTTRは復旧所要時間。

Q2. 独立稼働率0.9の2機器を両方必要とする直列構成。稼働率は?

  1. 0.81
  2. 0.99
  3. 0.90
  4. 0.18
答えと解説を見る

正解:A 0.81

両方稼働の確率0.9×0.9=0.81。

参考リンク

6.3ネットワーク・インターネット

概念

IPは経路をまたぐ通信、TCPは順序・再送等、DNSは名前解決を担います。TLSは通信の機密性・完全性等を支えますが、入力内容の正しさや端末の無感染を保証しません。通信速度のbitと容量のbyteは8倍の関係です。

仕組み・手順

  1. 100MB×8=800Mbit。800÷100=8秒。
  2. DNSが名前解決、DHCPは端末へのアドレス等の設定配布を担う。
  3. TCPは転送の順序・再送等を行う。暗号化はTLS等の別の機能。

業務での例

100MBを100Mbpsで送る理論最短時間は8秒。実際にはプロトコルや混雑等で長くなります。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 100MBを100Mbpsで送信。MB=10⁶byte、通信損失なしの時間は?

  1. 100秒
  2. 0.125秒
  3. 8秒
  4. 1秒
答えと解説を見る

正解:C 8秒

100MB×8=800Mbit。800÷100=8秒。

Q2. ホスト名からIPアドレス等を調べる仕組みは?

  1. FTP
  2. DNS
  3. DHCP
  4. SMTP
答えと解説を見る

正解:B DNS

DNSが名前解決、DHCPは端末へのアドレス等の設定配布を担う。

参考リンク

6.4関係データベース・SQL・正規化

概念

主キーは行を識別し、外部キーは表間の参照関係を支えます。正規化は更新異常や重複を減らし、関数従属性を整理します。ACIDは原子性、一貫性、独立性、永続性。SQLではWHEREは行、HAVINGは集約後のグループを絞ります。

仕組み・手順

  1. 主キーは行を一意に識別しNULLを許さない。外部キーは参照関係を支える。
  2. 途中だけ反映されないall-or-nothingが原子性。永続性は確定後の保存。
  3. 集約結果の条件はHAVING。WHEREは集約前の行を絞る。

業務での例

顧客名を全売上行へ複写するより、顧客表を作り顧客IDで参照すると名称変更時の更新漏れを減らせます。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 表の各行を一意に識別する制約は?

  1. 外部キーのみ
  2. 並び順の指定
  3. 表示用の別名
  4. 主キー
答えと解説を見る

正解:D 主キー

主キーは行を一意に識別しNULLを許さない。外部キーは参照関係を支える。

Q2. ACIDで取引全体を実施するか全体を取り消す性質は?

  1. 永続性
  2. 可用性
  3. 原子性
  4. 独立性
答えと解説を見る

正解:C 原子性

途中だけ反映されないall-or-nothingが原子性。永続性は確定後の保存。

参考リンク

6.5要求定義・開発手法・テスト

概念

要求定義は機能だけでなく性能、可用性、セキュリティ、運用等の非機能要件を含みます。ウォーターフォールと反復型は不確実性に応じて選びます。単体・結合・システム・受入テストは対象と確認責任が異なり、レビューや静的解析も組み合わせます。

仕組み・手順

  1. 提供する処理の内容ではなく処理品質・性能を指定している。
  2. 結合テストはインターフェースやモジュール間の連携を確認する。
  3. 短い反復で実物とフィードバックを得る。ただし品質基準と変更判断は維持する。

業務での例

「画面が速い」を、通常負荷で95%の応答が2秒以内など測れる条件へ変え、計測環境も合意します。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 「ピーク時も95%の応答を2秒以内」は主に何の要件か?

  1. 契約書の支払方法
  2. 性能の非機能要件
  3. 売上計上の機能要件
  4. 顧客区分のデータ項目
答えと解説を見る

正解:B 性能の非機能要件

提供する処理の内容ではなく処理品質・性能を指定している。

Q2. 複数モジュールの接続とデータ受渡しを確認するテストは?

  1. 結合テスト
  2. 単体テスト
  3. コードの机上レビューのみ
  4. 利用者教育のみ
答えと解説を見る

正解:A 結合テスト

結合テストはインターフェースやモジュール間の連携を確認する。

参考リンク

6.6IT調達・プロジェクト・サービス管理

概念

RFIは情報収集、RFPは提案依頼を支えます。契約形態と責任範囲、成果物、検収条件を定義します。SLAは合意するサービス水準。障害対応では復旧を急ぐインシデント管理と原因・再発防止を扱う問題管理を区別します。

仕組み・手順

  1. 提案依頼書で要件・制約・評価条件を示し、比較可能な提案を求める。
  2. 稼働率、応答、サポート等の指標と測定・責任を合意する。
  3. インシデント管理の早期復旧に加え、原因分析と恒久対策を追う。

業務での例

同じ障害が繰り返す場合、再起動で当座復旧した記録に加え、根本原因・恒久策を別に追跡します。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. RFPの主な目的は?

  1. 社内の売上原価を確定する
  2. 障害復旧時間だけを計測する
  3. 利用者のIDだけを発行する
  4. 要件を示して提案を求める
答えと解説を見る

正解:D 要件を示して提案を求める

提案依頼書で要件・制約・評価条件を示し、比較可能な提案を求める。

Q2. SLAが定めるものは?

  1. 全社員の業績評価基準
  2. 商品の小売価格一覧
  3. 合意したサービス水準
  4. プログラム言語の文法
答えと解説を見る

正解:C 合意したサービス水準

稼働率、応答、サポート等の指標と測定・責任を合意する。

参考リンク

6.7ERP・業務改革・企業アーキテクチャ

概念

ERPは業務データや処理を統合し、部門別の二重入力を減らすことを狙います。BPRは既存業務の根本的見直しで、単なる画面置換と区別します。共通マスタ、データ責任、例外処理、移行と定着を設計し、現状の無駄をそのまま自動化しないようにします。

仕組み・手順

  1. 共通の意味・識別子・責任がなければ統合後も不整合が残る。
  2. 目的・顧客価値からプロセスを根本的に再設計する。
  3. 導入目的に対応する誤り・重複・時間・顧客成果等を基準前後で比較する。

業務での例

販売・在庫・会計で顧客IDが異なる場合、導入前に共通キーとマスタ更新責任を定めます。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. ERPで部門間統合を進める前提として重要なのは?

  1. 部門ごとに異なるコードの固定
  2. 全例外の無条件自動処理
  3. 移行データ確認の省略
  4. 共通マスタと更新責任
答えと解説を見る

正解:D 共通マスタと更新責任

共通の意味・識別子・責任がなければ統合後も不整合が残る。

Q2. BPRに該当するのは?

  1. 同じ入力を部署数だけ増やす
  2. 処理順を一切見直さず自動化
  3. 承認工程の目的から再設計
  4. 紙の様式をそのまま画面化
答えと解説を見る

正解:C 承認工程の目的から再設計

目的・顧客価値からプロセスを根本的に再設計する。

参考リンク

6.8クラウド・仮想化・API

概念

IaaSは基盤、PaaSは開発実行環境、SaaSは完成したアプリケーションの利用を中心とします。責任分担はサービスと契約で異なります。APIは機能・データの接点で認証、権限、制限、変更互換性が重要。可変費用も利用量増で高くなるためTCOを比較します。

仕組み・手順

  1. 完成したソフト機能を利用するSaaS。IaaSは基盤、PaaSは実行環境中心。
  2. 初期費、従量費、人の運用、データ移行・転出等をライフサイクルで比較する。
  3. 認証は誰か、認可は何をしてよいか。ログインできるだけで全操作を許可しない。

業務での例

会計SaaSでも利用者登録、権限、入力データの品質、エクスポートと退去時の扱いは自社側で確認します。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 利用者が完成済み会計アプリをネット経由で使う形態は?

  1. オンプレミス専用機
  2. SaaS
  3. IaaS
  4. PaaS
答えと解説を見る

正解:B SaaS

完成したソフト機能を利用するSaaS。IaaSは基盤、PaaSは実行環境中心。

Q2. クラウド移行のTCOで含めるべき費用は?

  1. 移行・運用・転送・退去費用
  2. 月額基本料金だけ
  3. 初年度の機器購入費だけ
  4. 導入説明会の参加費だけ
答えと解説を見る

正解:A 移行・運用・転送・退去費用

初期費、従量費、人の運用、データ移行・転出等をライフサイクルで比較する。

参考リンク

6.9情報セキュリティ・暗号・認証

概念

機密性・完全性・可用性を守るため、アクセス制御、暗号、バックアップ、監視、教育を組み合わせます。共通鍵と公開鍵は鍵配布と処理の特性が異なります。電子署名は秘密鍵で署名し公開鍵で検証します。ハッシュは通常復号を目的としない要約です。

仕組み・手順

  1. 署名者の秘密鍵で署名し、その公開鍵で検証する。暗号化との目的を区別する。
  2. 知識要素と所持要素の組合せ。複数の知識情報だけでは別要素にならない。
  3. 攻撃の影響を受けにくいコピーと実際に復元できる手順が必要。

業務での例

パスワードと別の所持要素を組み合わせる多要素認証は、パスワード2個を入れるだけの方式とは異なります。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. 電子署名を作成する鍵は?

  1. 署名者の秘密鍵
  2. 署名者の公開鍵
  3. 検証者の公開鍵のみ
  4. 全員共通の公開パスワード
答えと解説を見る

正解:A 署名者の秘密鍵

署名者の秘密鍵で署名し、その公開鍵で検証する。暗号化との目的を区別する。

Q2. 異なる要素を使う多要素認証の例は?

  1. 異なるパスワードを2回入力
  2. パスワードと同じ秘密の再入力
  3. 2つの秘密の質問だけに回答
  4. パスワードと所持端末の認証
答えと解説を見る

正解:D パスワードと所持端末の認証

知識要素と所持要素の組合せ。複数の知識情報だけでは別要素にならない。

参考リンク

6.10統計・データ分析・AI

概念

平均と中央値は外れ値への反応が異なります。回帰の相関は因果を保証せず、検証データへの情報漏えいは性能を過大評価します。分類では適合率=TP/(TP+FP)、再現率=TP/(TP+FN)。指標は誤検知と見逃しの費用に合わせて選びます。

仕組み・手順

  1. TP/(TP+FP)=30/40=75%。再現率は30/50=60%。
  2. TP/(TP+FN)=30/50=60%。実際の陽性のうち検出できた割合。
  3. 並べた5個の中央が3。平均22は外れ値100の影響を強く受ける。

業務での例

真陽性30・偽陽性10・偽陰性20なら、適合率75%、再現率60%。「正解率」だけでは少数の不正検知性能が見えません。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. TP30、FP10、FN20。適合率は?

  1. 60%
  2. 50%
  3. 40%
  4. 75%
答えと解説を見る

正解:D 75%

TP/(TP+FP)=30/40=75%。再現率は30/50=60%。

Q2. TP30、FP10、FN20。再現率は?

  1. 40%
  2. 50%
  3. 60%
  4. 75%
答えと解説を見る

正解:C 60%

TP/(TP+FN)=30/50=60%。実際の陽性のうち検出できた割合。

参考リンク

6.11IT統制・監査・事業継続

概念

IT統制では承認、職務分掌、変更履歴、アクセス管理等を整えます。監査は独立した立場で証拠に基づき評価します。BCPは業務の継続・復旧を対象とし、RTOは目標復旧時間、RPOは許容するデータ損失の時点を示します。

仕組み・手順

  1. 何時間以内に業務・システムを復旧するか。データの時点はRPO。
  2. データをどの時点まで戻せる必要があるかを表し、復旧所要時間とは異なる。
  3. 申請・承認・実施等の分離やレビューで単独者による不適切な変更を抑える。

業務での例

RTO4時間、RPO1時間なら、4時間以内の復旧と最大1時間分のデータ損失を目標に設備・バックアップを設計します。

紛らわしい点・試験の注意

ミニクイズ

Q1. RTOが主に表すのは?

  1. 平均故障間隔
  2. 投資利益率
  3. 目標復旧時間
  4. 許容データ損失の時点
答えと解説を見る

正解:C 目標復旧時間

何時間以内に業務・システムを復旧するか。データの時点はRPO。

Q2. RPO1時間という目標は?

  1. 1時間ごとに監査を実施する
  2. 失うデータを最大1時間分に抑える
  3. 必ず1時間以内に全業務を再開
  4. 年1時間だけ故障を許容
答えと解説を見る

正解:B 失うデータを最大1時間分に抑える

データをどの時点まで戻せる必要があるかを表し、復旧所要時間とは異なる。

参考リンク

レッスンは当サイトがPMIの2026年版ECOと中小企業診断士試験・登録の公開案内をもとに独自に作成したもので、試験の内容を保証するものではありません。製品の仕様は変わることがあるため、参考リンク先の最新情報を確認してください。

ご利用上の注意(非公式・独自問題・合格保証なし)