AB-100 · LESSON 1
AI を活用したビジネスソリューションの計画25–30% · 3項目
AI を活用したビジネスソリューションの要件の分析、全体の AI 戦略の設計、コストと効果の評価を学びます。
1.1AI ソリューションの要件を分析する
Analyze requirements for AI-powered business solutions
概念
要件の分析では、業務の課題・利用者・成功の指標・データ・制約(セキュリティ・規制・予算・期間)を明らかにし、AI で解くべきか、どの種類の AI(生成・エージェント・予測・従来の自動化)が適するかを判断します。
仕組み・手順
- 関係者に聞き取り、業務の流れと課題を可視化する
- 成功の指標(KPI)と現状の基準値を決める
- 使えるデータの所在・品質・権限を確認する
- 規制・セキュリティ・データの所在の要件を整理する
- AI が適する部分と、ルールや従来の自動化で十分な部分を分ける
業務での例
受発注の問い合わせの 6 割が定型と分かったため、定型はエージェント、例外は担当者が対応する構成を提案し、対応時間を KPI にする。
紛らわしい点・試験の注意
- すべての課題に生成 AI が最適とは限らない(決まった規則ならフローで十分)
- 応答時間・可用性・監査などの非機能要件も含める
- データの権限が整っていないと情報漏洩のリスクが出る
ミニクイズ
Q1. 経営会議で「どの業務からエージェントを使うべきか」を検討する。最初の評価軸として最も適切なものはどれか。
- 業務ごとに使えるモデルとライセンスの費用を比べ、最も安く導入できる業務から始める
- 各部門から要望を集め、要望の件数が多い業務から順にエージェントの開発を始める
- 業務をタスクの自動化・データ分析・意思決定支援に分類し、影響範囲と人の関与の必要性を評価する
- 全業務を利用頻度の順に並べ、最も利用の多い業務から順にエージェントに置き換えて効果と費用を見る
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正解:C 業務をタスクの自動化・データ分析・意思決定支援に分類し、影響範囲と人の関与の必要性を評価する
用途の種類と影響範囲で優先度を決める。意思決定支援は最終判断を人に残す前提で設計する。 【他の選択肢】利用頻度や要望の件数、費用だけでは影響範囲と人の関与の必要性が分からない。最初はタスクの種類と影響・人の関与で評価する。
Q2. カスタム AI モデルの作成を検討すべき状況として最も適切なものはどれか。
- 既製モデル・プロンプト・RAG では要件(精度・形式・コスト等)を満たせないと評価で確認された場合
- 社内に AI の専門の担当者がいて、モデルの開発の経験を積ませたいと考えた場合
- 業務のデータがまだ整備されていないため、モデルの学習で品質を補いたい場合
- 既製のモデルを試す前に、自社のデータに特化した独自のモデルがあれば競争上は有利だと考えた場合
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正解:A 既製モデル・プロンプト・RAG では要件(精度・形式・コスト等)を満たせないと評価で確認された場合
カスタムモデルはコストと運用負担が大きい。既製の選択肢で足りないことを確認してから検討する。 【他の選択肢】既製のモデルを評価する前の判断は早い。担当者の育成は採用の理由にならない。データが整わないままの学習は品質が上がらない。
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1.2全体の AI 戦略を設計する
Design overall AI strategy for business solutions
概念
AI 戦略は、どの業務にどの AI を、どの順番で、どの基盤で導入するかの計画です。Microsoft 365 Copilot(すぐ使える生産性)、Copilot Studio(ローコードのエージェント)、Microsoft Foundry(プロコードの開発)、Dynamics 365 の組み込みエージェントを、購入・構築・拡張の観点で組み合わせます。
仕組み・手順
- 事業の目標と AI の取り組みを結び付ける
- ユースケースを影響と実現性で優先順位付けする
- 既製品で足りるものは購入、差別化が必要なものは構築と判断する
- データ基盤・ガバナンス・セキュリティの共通の土台を決める
- 人材育成と定着の支援を計画に含める
業務での例
全社の生産性は Microsoft 365 Copilot、部門の業務は Copilot Studio のエージェント、独自の需要予測は Foundry で開発する 3 層の戦略を立てる。
紛らわしい点・試験の注意
- 構築は柔軟だが、期間・コスト・運用の負担が大きい
- 小さく始めて効果を測り、成功したものを広げる
- ガバナンス(CoE など)を後回しにすると管理されないエージェントが増える
ミニクイズ
Q1. 全社的な AI 導入を段階的に進めるためのフレームワークとして参照すべきものはどれか。
- Power Platform Well-Architected の信頼性の柱
- Cloud Adoption Framework for Azure の AI 導入プロセス
- Azure Well-Architected Framework の AI ワークロードの指針
- Microsoft 365 Copilot の導入ガイドのみ
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正解:B Cloud Adoption Framework for Azure の AI 導入プロセス
Cloud Adoption Framework は戦略・計画・準備・ガバナンスを段階的に整理する公式の枠組み。 【他の選択肢】Well-Architected はワークロードの設計品質の指針で、全社的な導入の段階の枠組みではない。Copilot の導入ガイドは製品の展開手順である。
Q2. 社員がメールや文書作成で使う Microsoft 365 Copilot に、社内の申請手続きの知識を加えたい。最も適切な判断はどれか。
- Azure で独自のモデルをファインチューニングし、申請手続きの知識を学習させる
- Copilot Studio で独立したチャットボットを作り、Microsoft 365 Copilot とは別に提供する
- 申請手続きの文書を OneDrive に置き、社員に検索して参照するよう案内する
- まず Microsoft 365 Copilot の拡張(エージェント・ナレッジ追加)で足りるか検討する
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正解:D まず Microsoft 365 Copilot の拡張(エージェント・ナレッジ追加)で足りるか検討する
既存の Microsoft 365 Copilot を拡張できるなら、カスタム構築より早く低コストに実現できる。 【他の選択肢】独立したボットは日常の Copilot の流れから外れる。独自のモデルの学習は過剰である。文書の検索の案内では Copilot に知識が加わらない。
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1.3AI ソリューションのコストと効果を評価する
Evaluate the costs and benefits of an AI-powered business solution
概念
コストには、ライセンス(Copilot・Copilot Studio の容量)、Azure の従量課金(トークン・検索・計算)、開発・運用・教育の費用が含まれます。効果は時間の削減・品質の向上・売上や顧客満足への影響で測り、ROI と総保有コスト(TCO)で判断します。
仕組み・手順
- 導入前の基準値(作業時間・件数・品質)を測る
- ライセンス・従量課金・開発・運用のコストを見積もる
- 効果を金額に換算し、ROI と回収期間を計算する
- パイロットで実測し、見積もりを更新する
- 従業員の満足やリスク低減などの定性的な効果も記録する
業務での例
問い合わせのエージェントで月 400 時間の削減を見込み、利用料と開発費を差し引いて 8 か月で回収できると試算し、パイロットで検証する。
紛らわしい点・試験の注意
- 従量課金は利用量で大きく変わるため、想定の利用量で見積もる
- ライセンス以外の運用・改善・教育の費用も含める
- 効果の測定には導入前の基準値が必要
ミニクイズ
Q1. AI ソリューションの ROI を評価する際、TCO に含めるべきものとして適切なものはどれか。
- ライセンス・初期の開発費と、利用部門への導入の説明会の費用
- ライセンスと開発の費用、削減できる作業時間の人件費換算
- ライセンス・開発・運用費と、人による確認・例外対応の工数
- 開発費と、利用部門への教育の費用だけ
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正解:C ライセンス・開発・運用費と、人による確認・例外対応の工数
TCO には初期費・運用費だけでなく、人の確認工数など継続コストを含める。 【他の選択肢】削減時間は効果の側で TCO ではない。ライセンスと初期費用だけでは運用や人の確認の工数が漏れる。
Q2. 経理の請求書処理について、既製の SaaS を買うか、Copilot Studio で構築するか、既存の Dynamics 365 機能を拡張するかを検討している。適切な進め方はどれか。
- 利用部門の担当者に 3 案を試してもらい、使い勝手が良い案を選ぶ
- 3 案の見積額を比べ、初期の費用が最も安い案を選んで要件は導入後に調整する
- 最新の生成 AI の機能を最も多く使える案を選び、将来の拡張に備える
- 要件適合度・TCO・導入期間・保守性で構築・購入・拡張を比較する
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正解:D 要件適合度・TCO・導入期間・保守性で構築・購入・拡張を比較する
Build / Buy / Extend の判断は、要件と総コスト・保守性で比較する。 【他の選択肢】初期費用だけでは要件と TCO が分からない。機能の多さは要件への適合を示さない。使い勝手だけでは保守性や導入期間を比べられない。
参考リンク
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