人工知能とは・人工知能をめぐる動向
学習目標
- 人工知能の 4 つのレベルと AI 効果を例で説明できる
- フレーム問題・シンボルグラウンディング問題・中国語の部屋などの論点を区別できる
- 三度の AI ブームの技術(探索・推論、知識表現、機械学習・ディープラーニング)と代表例を説明できる
要点
- AI のレベルは「単純な制御プログラム」「古典的な人工知能(探索・推論・知識を使う)」「機械学習」「深層学習(特徴量も学習)」の 4 段階で説明される。
- AI 効果:仕組みが分かると「それは知能ではない」とみなされる現象。
- フレーム問題は「今の課題に関係することだけを選び出す」ことの難しさ、シンボルグラウンディング問題は記号と実世界の意味を結び付けられない問題。
- チューリングテストは対話で人と区別できるかを見るテスト。中国語の部屋はそれに対し「規則に従って記号を操作しても意味を理解しているとは言えない」とする思考実験(強い AI と弱い AI の議論)。
- 第一次ブーム(1950〜60 年代)は探索・推論でトイ・プロブレムは解けたが現実の問題は解けず、第二次(1980 年代)は知識表現とエキスパートシステムで知識獲得のボトルネックに直面、第三次(2000 年代〜)は機械学習とディープラーニング。
- Mini-Max 法は相手が最善手を打つ前提で評価し、αβ 法は不要な枝を刈って探索を減らす。モンテカルロ法はランダムなプレイアウトで評価する。
- 2012 年の ILSVRC で AlexNet(ディープラーニング)が大差で優勝し、第三次ブームが本格化。2016 年に AlphaGo がプロ棋士に勝利した。
業務での使いどころ
- 企画問い合わせ対応の自動化を検討する際、規則(ルールベース)で足りる範囲と、データから学習させる範囲を分けて検討する。
シラバスの中項目
- 人工知能の定義(AI のレベル分け、AI 効果、人工知能とロボットの違い)
- 人工知能分野で議論される問題(チューリングテスト、中国語の部屋、フレーム問題、シンボルグラウンディング問題、シンギュラリティ)
- 探索・推論(探索木、幅優先・深さ優先探索、Mini-Max 法、αβ 法、モンテカルロ法、STRIPS、SHRDLU)
- 知識表現とエキスパートシステム(意味ネットワーク、オントロジー、MYCIN、DENDRAL、Cyc、ワトソン)
- 機械学習(ビッグデータ、次元の呪い、統計的自然言語処理)
- ディープラーニング(ILSVRC、AlexNet、AlphaGo、生成 AI)