STEP 1 · 学習

G検定 学習G検定(ジェネラリスト検定)

出題分野ごとに要点を読み、各分野の最後にある「この分野を練習する」でその分野だけの問題を解きます。分野の比率が大きいほど本試験での出題が多くなります。

01

人工知能とは・人工知能をめぐる動向

11%(当サイト設定)

学習目標

  • 人工知能の 4 つのレベルと AI 効果を例で説明できる
  • フレーム問題・シンボルグラウンディング問題・中国語の部屋などの論点を区別できる
  • 三度の AI ブームの技術(探索・推論、知識表現、機械学習・ディープラーニング)と代表例を説明できる

要点

  • AI のレベルは「単純な制御プログラム」「古典的な人工知能(探索・推論・知識を使う)」「機械学習」「深層学習(特徴量も学習)」の 4 段階で説明される。
  • AI 効果:仕組みが分かると「それは知能ではない」とみなされる現象。
  • フレーム問題は「今の課題に関係することだけを選び出す」ことの難しさ、シンボルグラウンディング問題は記号と実世界の意味を結び付けられない問題。
  • チューリングテストは対話で人と区別できるかを見るテスト。中国語の部屋はそれに対し「規則に従って記号を操作しても意味を理解しているとは言えない」とする思考実験(強い AI と弱い AI の議論)。
  • 第一次ブーム(1950〜60 年代)は探索・推論でトイ・プロブレムは解けたが現実の問題は解けず、第二次(1980 年代)は知識表現とエキスパートシステムで知識獲得のボトルネックに直面、第三次(2000 年代〜)は機械学習とディープラーニング。
  • Mini-Max 法は相手が最善手を打つ前提で評価し、αβ 法は不要な枝を刈って探索を減らす。モンテカルロ法はランダムなプレイアウトで評価する。
  • 2012 年の ILSVRC で AlexNet(ディープラーニング)が大差で優勝し、第三次ブームが本格化。2016 年に AlphaGo がプロ棋士に勝利した。

業務での使いどころ

  • 企画問い合わせ対応の自動化を検討する際、規則(ルールベース)で足りる範囲と、データから学習させる範囲を分けて検討する。

シラバスの中項目

  • 人工知能の定義(AI のレベル分け、AI 効果、人工知能とロボットの違い)
  • 人工知能分野で議論される問題(チューリングテスト、中国語の部屋、フレーム問題、シンボルグラウンディング問題、シンギュラリティ)
  • 探索・推論(探索木、幅優先・深さ優先探索、Mini-Max 法、αβ 法、モンテカルロ法、STRIPS、SHRDLU)
  • 知識表現とエキスパートシステム(意味ネットワーク、オントロジー、MYCIN、DENDRAL、Cyc、ワトソン)
  • 機械学習(ビッグデータ、次元の呪い、統計的自然言語処理)
  • ディープラーニング(ILSVRC、AlexNet、AlphaGo、生成 AI)

参考リソース

02

機械学習の概要

7%(当サイト設定)

学習目標

  • 課題に応じて教師あり・教師なし・強化学習と代表的な手法を選べる
  • 混同行列から正解率・適合率・再現率・F 値を計算し、目的に合う指標を選べる
  • ホールドアウト法と k-分割交差検証、過学習の見分け方を説明できる

要点

  • 教師あり学習は特徴量と正解(教師データ)の組から学ぶ。数値を予測するのが回帰、カテゴリを当てるのが分類。ロジスティック回帰は名前に反して分類の手法。
  • アンサンブル学習:バギング(ブートストラップで並列に学習、ランダムフォレスト)とブースティング(前のモデルの誤りを次で補う、勾配ブースティング)。
  • SVM はマージン最大化で境界を決め、カーネルトリックで非線形な分離も扱える。
  • 教師なし学習:k-means は k 個のクラスタに分ける(k は事前に決める)、ウォード法は階層的クラスタリングでデンドログラムを描く。主成分分析は分散が大きい方向に次元を削減、t-SNE は可視化向けの非線形の次元削減。
  • 強化学習は行動と報酬から方策を学ぶ。価値ベース(Q 学習・SARSA)と方策ベース(REINFORCE・方策勾配法)、両方を組み合わせた Actor-Critic がある。ε-greedy は確率 ε でランダムに探索する。
  • 適合率=TP/(TP+FP):陽性と予測した中の正解の割合。再現率=TP/(TP+FN):実際の陽性のうち見つけられた割合。見逃しを避けたいなら再現率、誤検知を避けたいなら適合率を重視。
  • 過学習は訓練データでは誤差が小さいが検証データで大きい状態。データが少ないときは k-分割交差検証で汎化性能を推定する。

業務での使いどころ

  • 営業顧客の解約の予測(分類)では、解約しそうな顧客の見逃しを減らしたいので再現率を重視し、適合率とのバランスを F 値で確認する。
  • マーケティング購買履歴を k-means で顧客グループに分け、グループごとに施策を変える。

シラバスの中項目

  • 教師あり学習(回帰・分類、線形回帰、ロジスティック回帰、決定木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング、SVM、AR モデル)
  • 教師なし学習(k-means 法、ウォード法、主成分分析、t-SNE、協調フィルタリング、トピックモデル)
  • 強化学習(マルコフ決定過程、割引率、ε-greedy、Q 学習、SARSA、方策勾配法、Actor-Critic)
  • モデルの選択・評価(交差検証、混同行列、適合率・再現率・F 値、ROC 曲線・AUC、MSE・RMSE・MAE、AIC・BIC、過学習)

参考リソース

03

ディープラーニングの概要

11%(当サイト設定)

学習目標

  • 活性化関数と誤差関数をタスクに応じて選べる
  • 誤差逆伝播法と勾配消失問題の関係、対策を説明できる
  • 勾配降下法の課題(局所解・鞍点・学習率)と代表的な最適化手法・ハイパーパラメータ調整を説明できる

要点

  • 単純パーセプトロンは線形分離可能な問題しか解けない(XOR が解けない)。隠れ層を持つ多層パーセプトロンで非線形な問題を扱える。
  • GPU は大量の単純な並列計算(行列演算)に強く、TPU は Google が開発したテンソル計算に特化したプロセッサ。
  • シグモイド関数は微分の最大値が 0.25 で、層を重ねると勾配が小さくなる(勾配消失)。ReLU は正の領域で微分が 1 のため勾配が消えにくい。出力層:回帰は恒等関数、二値分類はシグモイド、多クラス分類はソフトマックス。
  • 誤差関数:回帰は平均二乗誤差、分類は交差エントロピー。分布の違いは KL 情報量。距離学習には Contrastive Loss・Triplet Loss。
  • L1 正則化(ラッソ)は不要な重みを 0 にしやすく特徴選択の効果、L2 正則化(リッジ)は重みを全体に小さくする。ドロップアウトは学習時にランダムにニューロンを無効化する。
  • 誤差逆伝播法は連鎖律で出力側から勾配を効率よく計算する。
  • 確率的勾配降下法はデータの一部(ミニバッチ)で更新。モーメンタムは慣性で振動を抑え、AdaGrad・RMSprop はパラメータごとに学習率を調整、Adam はその両方の考えを組み合わせる。
  • ハイパーパラメータ(学習率、層の数など)の探索にはグリッドサーチ・ランダムサーチ・ベイズ最適化。早期終了は検証誤差が悪化し始めたら学習を止める。

業務での使いどころ

  • 情シス画像の検査モデルの学習を社内 PC(CPU)からクラウドの GPU インスタンスに移し、学習の時間を短縮する。

シラバスの中項目

  • ニューラルネットワークとディープラーニング(単純パーセプトロン、多層パーセプトロン、CPU・GPU・TPU)
  • 活性化関数(シグモイド、tanh、ReLU、Leaky ReLU、ソフトマックス、勾配消失問題)
  • 誤差関数(平均二乗誤差関数、交差エントロピー、KL 情報量、Contrastive Loss、Triplet Loss)
  • 正則化(L1・L2 正則化、ラッソ回帰、ドロップアウト)
  • 誤差逆伝播法(連鎖律、勾配消失・勾配爆発、信用割当問題)
  • 最適化手法(勾配降下法、確率的勾配降下法、モーメンタム、AdaGrad、RMSprop、Adam、学習率、早期終了、二重降下現象、ハイパーパラメータ探索)

参考リソース

04

ディープラーニングの要素技術

16%(当サイト設定)

学習目標

  • 畳み込み層の出力サイズとパラメータ数の考え方、全結合層との違いを説明できる
  • RNN・LSTM・GRU と Attention・Transformer の違いと役割を説明できる
  • オートエンコーダ・VAE、正規化層、データ拡張の目的と使い分けを説明できる

要点

  • 畳み込み層はフィルタ(カーネル)を画像上でずらしながら局所的な特徴を抽出し、重みを共有するため全結合層よりパラメータが少ない。出力サイズ=(入力−フィルタ+2×パディング)/ストライド+1。
  • Dilated(Atrous)Convolution は間隔を空けて受容野を広げ、Depthwise Separable Convolution はチャネルごとの畳み込みと 1×1 畳み込みに分けて計算量を減らす(MobileNet)。
  • バッチ正規化はミニバッチ内でチャネルごとに正規化、レイヤー正規化は 1 データ内の全特徴で正規化(Transformer で使われる)。インスタンス正規化は 1 データ・1 チャネルごと(スタイル変換)。
  • 最大値プーリングは小さな位置ずれに対する不変性をもたらし、学習するパラメータはない。GAP は特徴マップごとに平均を取り全結合層の代わりに使える。
  • スキップ結合(ResNet)は層を飛ばして入力を足し、深いネットワークでも勾配が伝わりやすくする。
  • RNN は BPTT で学習し、長い系列で勾配消失が起きる。LSTM は入力・忘却・出力のゲートとセル(CEC)で長期の依存を保ち、GRU はそれを簡略化。教師強制は学習時に前の時刻の正解を入力に使う。
  • Transformer は RNN を使わず Self-Attention で全トークンの関係を並列に計算する。語順の情報は位置エンコーディングで与える。Multi-Head Attention は複数の観点で注意を計算する。
  • オートエンコーダは入力を潜在表現に圧縮して復元するよう学習(次元削減・異常検知)。VAE は潜在変数を確率分布で表し、新しいデータを生成できる。
  • データ拡張は訓練データを変換して増やし汎化性能を上げる。Cutout・Random Erasing は一部を隠し、Mixup は 2 画像を混ぜ、CutMix は一部を切り貼りする。文章では paraphrasing など。

業務での使いどころ

  • 製造外観検査の画像が少ないため、反転・回転・明るさの変更でデータ拡張して学習し、未知の製品の写真での精度を上げる。

シラバスの中項目

  • 全結合層・畳み込み層(カーネル、ストライド、パディング、特徴マップ、Dilated Convolution、Depthwise Separable Convolution)
  • 正規化層(バッチ正規化、レイヤー正規化、インスタンス正規化、グループ正規化)
  • プーリング層(最大値プーリング、グローバルアベレージプーリング)・スキップ結合(ResNet)
  • 回帰結合層(RNN、BPTT、LSTM、GRU、双方向 RNN、教師強制、エルマンネットワーク)
  • Attention(Seq2Seq、Self-Attention、Source-Target Attention、Multi-Head Attention、Transformer、位置エンコーディング、クエリ・キー・バリュー)
  • オートエンコーダ(積層オートエンコーダ、VAE、VQ-VAE・β-VAE)
  • データ拡張(Crop、Flip、Rotate、Cutout、Random Erasing、Mixup、CutMix、RandAugment、paraphrasing)

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05

ディープラーニングの応用例

16%(当サイト設定)

学習目標

  • 画像認識のタスクの種類と代表モデルを対応付けられる
  • 自然言語処理・音声処理の特徴表現と代表モデルを説明できる
  • 生成モデル、転移学習、マルチモーダル、解釈性、軽量化の代表的な手法を目的に応じて選べる

要点

  • 物体識別は画像全体のクラス、物体検出は位置(バウンディングボックス)とクラス、セマンティックセグメンテーションは画素ごとのクラス、インスタンスセグメンテーションは個体ごとの領域、パノプティックはその両方。
  • 物体検出:R-CNN → Fast R-CNN → Faster R-CNN(RPN で候補領域も学習)の 2 段階型と、YOLO・SSD の 1 段階型(高速)。セグメンテーション:FCN、U-Net(スキップ接続のエンコーダ・デコーダ)、Mask R-CNN(インスタンス)。
  • word2vec は単語を分散表現(ベクトル)にし、CBOW は周辺語から中心語を、スキップグラムは中心語から周辺語を予測する。fastText はサブワードを使う。ELMo は文脈に応じた表現。
  • BERT は Transformer のエンコーダを使い、マスクした単語の予測(MLM)と次文予測で事前学習する双方向のモデル。GPT はデコーダで次の単語を予測する自己回帰型。
  • 音声:A-D 変換(標本化・量子化)→ FFT でスペクトル → メル尺度の MFCC などの特徴。CTC は入力と出力の長さの違うデータの対応付けを学習。WaveNet は音声波形を直接生成。
  • DQN は Q 関数を CNN で近似し、経験再生とターゲットネットワークで安定化。RLHF は人の評価から報酬モデルを作り強化学習で言語モデルを調整する。sim2real はシミュレーションの学習を実機へ移す(ドメインランダマイゼーション)。
  • GAN は生成器と識別器を競わせる。Pix2Pix はペア画像の変換、CycleGAN はペアなしの変換。Diffusion Model はノイズを除去する過程を学習して生成。NeRF は複数視点の画像から 3 次元のシーンを表現。
  • 転移学習は学習済みモデルを別タスクに流用、ファインチューニングは重みも追加で調整。破滅的忘却は新しいタスクの学習で以前の知識を失う現象。CLIP は画像と文章を対応付けて学習し、Zero-shot で分類できる。
  • Grad-CAM は勾配を使い画像のどこが判断に効いたかをヒートマップで示す。LIME は局所的に単純なモデルで近似、SHAP はゲーム理論のシャープレイ値で特徴の寄与を示す。
  • 蒸留は大きなモデル(教師)の出力を使い小さなモデル(生徒)を学習。プルーニングは重要度の低い重みを削除、量子化は数値の精度(ビット数)を下げる。

業務での使いどころ

  • 小売店舗のカメラ映像から棚の欠品を物体検出で見つけ、エッジ AI 用に量子化・蒸留したモデルを店内の端末で動かす。

シラバスの中項目

  • 画像認識(物体識別・物体検出・セグメンテーション・姿勢推定;AlexNet、VGG、GoogLeNet、ResNet、EfficientNet、R-CNN 系、YOLO、SSD、U-Net、Mask R-CNN、Vision Transformer)
  • 自然言語処理(BoW、TF-IDF、word2vec、fastText、ELMo、BERT、GPT、LLM、GLUE)
  • 音声処理(A-D 変換、PCM、FFT、MFCC、隠れマルコフモデル、WaveNet、CTC、話者識別)
  • 深層強化学習(DQN、ダブル DQN、Rainbow、A3C、PPO、AlphaGo・AlphaStar、RLHF、sim2real、オフライン強化学習)
  • データ生成(GAN、DCGAN、Pix2Pix、CycleGAN、Diffusion Model、NeRF)
  • 転移学習・ファインチューニング(Few-shot、破滅的忘却、自己教師あり学習)・マルチモーダル(CLIP、DALL-E、基盤モデル、Zero-shot)
  • モデルの解釈性(XAI、CAM、Grad-CAM、LIME、SHAP、Permutation Importance)・モデルの軽量化(蒸留、プルーニング、量子化、宝くじ仮説、エッジ AI)

参考リソース

06

AI の社会実装に向けて・数理統計

5%(当サイト設定)

学習目標

  • CRISP-DM の工程と PoC・MLOps の役割を説明できる
  • データの収集・アノテーションの注意点と、リーケージなどの落とし穴を説明できる
  • 基本的な統計量・確率分布・距離を計算・選択できる

要点

  • CRISP-DM:ビジネスの理解 → データの理解 → データの準備 → モデリング → 評価 → 展開。
  • PoC(概念実証)で小さく効果と実現性を確かめてから本格導入する。PoC を繰り返して本番に進まない状態は「PoC 貧乏」とも呼ばれる。
  • MLOps はモデルの開発と運用を一体で回し、精度の監視・再学習・バージョン管理を行う。運用中にデータの分布が変わると精度が落ちる(データドリフト・コンセプトドリフト)。
  • アノテーションは正解ラベルを付ける作業で、基準を文書化し作業者間のぶれを確認する。
  • データリーケージは本来使えない情報(未来の情報や正解そのもの)が学習に混ざり、評価が不当によくなる問題。
  • 中央値は外れ値の影響を受けにくい。相関があっても因果があるとは限らず、第 3 の要因による見かけの相関を疑似相関という。
  • コサイン類似度はベクトルの向きの近さ(文書の類似度など)、マハラノビス距離はデータの分布(共分散)を考慮した距離で異常検知に使う。

業務での使いどころ

  • 経営企画需要予測の AI を PoC で 3 か月試し、評価の指標と合格の基準を事前に決めてから本番の導入を判断する。

シラバスの中項目

  • AI プロジェクトの進め方(CRISP-DM、CRISP-ML、PoC、MLOps、BPR、アジャイル、Web API、クラウド、Docker、Jupyter Notebook)
  • データの収集・加工・分析・学習(オープンデータセット、アノテーション、コーパス、データリーケージ)
  • AI に必要な数理・統計知識(平均・中央値・最頻値、分散・標準偏差、相関係数・疑似相関、正規分布・二項分布・ポアソン分布、条件付き確率、最尤法、最小二乗法、仮説検定、ユークリッド距離・マハラノビス距離・コサイン類似度)

参考リソース

07

AI に関する法律と契約

13%(当サイト設定)

学習目標

  • 個人情報・個人データ・要配慮個人情報、匿名加工情報と仮名加工情報を区別して当てはめられる
  • 30 条の 4 の趣旨と、AI 生成物の著作物性・著作権侵害の考え方を説明できる
  • 営業秘密の三要件、AI 開発の契約の段階と準委任・請負の違いを説明できる

要点

  • 個人情報は生存する個人に関する情報で特定の個人を識別できるもの。顔認証データやマイナンバーなどの個人識別符号は単体で個人情報。人種・信条・病歴などは要配慮個人情報で、取得に原則として本人の同意が必要。
  • 第三者提供には原則として本人の同意が必要。ただし委託・事業承継・共同利用は「第三者」に当たらない。
  • 匿名加工情報は本人を識別できず復元もできないよう加工したもので、一定の条件で本人同意なく第三者提供できる。仮名加工情報は他の情報と照合しないと識別できないよう加工したもので、社内の分析に使えるが原則として第三者提供はできない。
  • GDPR は EU の個人データ保護の規則で、EU 域内の個人に商品やサービスを提供する域外の事業者にも適用されうる。
  • 著作権法 30 条の 4:思想や感情の享受を目的としない利用(AI の学習のための情報解析など)は原則として許諾なく可能。ただし著作権者の利益を不当に害する場合は除く。
  • AI 生成物は、人に創作意図と創作的寄与がある場合に著作物となりうる。生成物が既存の著作物に類似し、依拠していれば侵害となりうる。
  • 特許の要件は新規性・進歩性など。営業秘密の三要件は秘密管理性・有用性・非公知性。限定提供データは ID・パスワードなどで管理して特定の相手に提供するデータ。
  • 経済産業省の「AI・データの利用に関する契約ガイドライン」は、アセスメント → PoC → 開発 → 追加学習の探索的段階型の開発を提唱。成果が不確実な段階は準委任契約が適するとされる。

業務での使いどころ

  • 法務取引先と需要予測モデルを共同で開発する際、各段階の契約形態、学習済みモデルとデータの権利の帰属、利用の条件を契約で決める。

シラバスの中項目

  • 個人情報保護法(個人情報・個人識別符号・要配慮個人情報、利用目的、第三者提供、委託、匿名加工情報・仮名加工情報、GDPR)
  • 著作権法(著作物・創作性、著作権法 30 条の 4、AI 生成物、利用規約)
  • 特許法(発明・新規性・進歩性、職務発明)
  • 不正競争防止法(営業秘密の三要件、限定提供データ)・独占禁止法
  • AI 開発委託契約(AI・データの利用に関する契約ガイドライン、探索的段階型、NDA、準委任契約・請負契約)
  • AI サービス提供契約(SaaS、利用規約、データ利用権、精度保証)

参考リソース

08

AI 倫理・AI ガバナンス

20%(当サイト設定)

学習目標

  • ハードロー・ソフトロー、リスクベースアプローチの考え方とメリット・デメリットを説明できる
  • プライバシー・公平性・安全性・透明性の問題の原因と対策を事例に当てはめられる
  • AI ガバナンスの体制と手法(倫理アセスメント、多様なメンバー、監査)を説明できる

要点

  • ハードローは法的拘束力のある法律、ソフトローはガイドラインなど拘束力のない規範。ソフトローは変化に柔軟に対応できるが、強制力が弱い。
  • リスクベースアプローチ:リスクの大きさに応じて規制の強さを変える(EU AI Act は禁止・高リスク・限定的リスク・最小リスクに分類)。
  • プライバシー・バイ・デザインは企画・設計の段階からプライバシー保護を組み込む考え方。カメラ画像の利用では、通知・掲示、目的外利用の防止、保存期間の限定などを行う。
  • 公平性:学習データの偏り(サンプリングバイアス)や過去の差別の反映により、特定の属性に不利な結果が出る。センシティブ属性を除いても、相関する代理変数から差別が生じうる。
  • Adversarial Examples は人には分からない小さなノイズで AI の誤認識を誘う攻撃。データ汚染(ポイズニング)は学習データに不正なデータを混ぜる攻撃。モデル窃取は API への大量の問い合わせでモデルを複製する攻撃。
  • フィルターバブルは推薦により自分の好む情報ばかりに囲まれる状態、エコーチェンバーは同じ意見の人の間で意見が増幅される現象。
  • モデルの学習の電力消費と CO2 排出が環境の論点。AI による雇用の変化、スキルの喪失、AI との協働が労働の論点。
  • AI ガバナンス:AI ポリシーの策定、倫理アセスメント、多様なメンバー(ダイバーシティ)による検討、外部の監査、トレーサビリティの確保を組み合わせる。

業務での使いどころ

  • 人事採用の書類選考に AI を使う前に、学習データの偏りと属性ごとの結果の差を確認し、人が最終判断する体制と説明の方法を決める。

シラバスの中項目

  • 国内外のガイドライン(AI 原則、ハードロー・ソフトロー、リスクベースアプローチ、EU AI Act、AI 事業者ガイドライン)
  • プライバシー(プライバシー・バイ・デザイン、カメラ画像利活用ガイドブック)
  • 公平性(アルゴリズムバイアス、サンプリングバイアス、センシティブ属性)
  • 安全性とセキュリティ(Adversarial Examples、データ汚染、モデル窃取、セキュリティ・バイ・デザイン)・悪用(ディープフェイク、フェイクニュース)
  • 透明性(説明可能性、データの来歴、ブラックボックス)・民主主義(フィルターバブル、エコーチェンバー)
  • 環境保護・労働政策・その他の価値(インクルージョン、軍事利用)
  • AI ガバナンス(AI ポリシー、倫理アセスメント、ステークホルダーの関与、監査、トレーサビリティ)

参考リソース

読み終えたら

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